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《統一地方選・民進党が惨敗》台中は国民党の盧氏が圧勝、蔡政権への不満票取り込む【図】


ニュース 政治 作成日:2018年11月25日_記事番号:T00080579

《統一地方選・民進党が惨敗》台中は国民党の盧氏が圧勝、蔡政権への不満票取り込む【図】

 台北市、高雄市と並んで勝敗が注目を集めた台中市長選挙は、国民党の盧秀燕氏(57)が民進党の現職、林佳龍氏(54)に20万票以上の大差を付け圧勝した。開票前は接戦が予想されていたが、盧氏は台中全29区のうち神岡区を除く28区で林候補を上回り、ほぼ完全勝利となった。蔡英文政権への不満票が盧氏に流れた他、高雄市長選で国民党の韓国瑜氏が巻き起こしたブームも加勢した。民進党は重要直轄市の台中市長の座を失った。

/date/2018/11/25/18taichung_lu_2.jpg盧氏(中)は「ママさん市長」として経済に挑む(24日=中央社)

 盧氏は82万7,996票(得票率56.57%)を獲得、林氏の61万9,855票(42.35%)に大差を付けた。林氏は2014年の前回市長選で現職だった国民党の胡志強氏に20万票以上の差で圧勝していたため、今回の市長選では党勢が完全に逆転したことが分かる。

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 盧氏は1994~98年まで台湾省議会議員を1期、99~2018年まで立法委員を6期務めた実力派だ。今回の市長選では大気汚染の改善と地方経済の活性化を政見に掲げた。脱原発を進める蔡政権のエネルギー政策によって台中火力発電所が高稼働を余儀なくされ、台中の大気汚染が悪化していると訴えた他、蔡政権の対中政策によって台中を訪れる中国人観光客や農産物の対中輸出が激減したと強調するなど、市民生活に直結した分野で民進党の失政をアピールし、蔡政権に対する不満票を取り込むことに成功した。

 一方、林氏は台湾鉄路(台鉄)西部幹線の高架化、中区を流れる河川の水質改善と周辺環境の整備、台中世界花卉博覧会(台中フローラ世界博覧会、台中花博)開催などの実績をアピールしたが、民進党に対する不信感をはね返すほどの効果は生まず、胡前市長時代からの計画を実行しただけとの批判もあった。