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ネットの威力、ユーチューバーが市議に当選


ニュース 社会 作成日:2018年11月26日_記事番号:T00080612

ネットの威力、ユーチューバーが市議に当選

 24日に実施された台北市議会議員選挙で、1人の「ユーチューバー」がインターネットを頼りに選挙活動を行って見事当選に成功したことが話題となっている。

/date/2018/11/26/19qiu_2.jpgショッキングピンクのポスターやたすきは、リアルの世界でも注目を集めたようだ(邱氏フェイスブックより)

 今回の選挙で台北市第3選挙区(松山区・信義区)から市議会議員に立候補して1万1,786票を獲得、最下位ながら見事、当選を果たした邱威傑氏(42)は、ユーチューブなどの動画投稿サイトで活動するいわゆる「ユーチューバー」だ。大学卒業後は演劇界やゲーム業界に入ったが、2015年にネット動画制作室「上班不要看」を立ち上げてユーチューブ上にチャンネルを開設。個人でも「呱吉」のハンドルネームを用い、ライブ配信を行っており、チャンネル登録者27万人を抱えるちょっとした有名人だ。

 邱氏は市議出馬に当たり、ユーチューブなどで人気を博している購入した商品を「開箱」(開封の儀)して紹介する動画をもじった「民主開箱」をテーマに掲げ、政治の世界の実情を明らかにしたいと宣言した。

 また彼は、豊富な資金力を持つ者や政治家一族に生まれた者でなくとも政治に参加できることを証明するため、選挙運動に投入する資金を120万台湾元(約440万円)にとどめ、従来型メディアからの取材を拒絶。テレビの討論番組などにも出演しなかった。

 邱氏は4~5月ごろ、自身には最高でも3,000票程度しか入らないだろうと予測していたが、その後、選挙活動に真剣に取り組んだ結果、得票数を伸ばし、ベテラン議員を下して当選を果たした。

 なお当選を受けてのライブ配信で邱氏は、「議員を務めるのは1期のみ」と宣言。その理由として、「再選に向けたリソースを築くためには地元の政治家や企業と関係を持つことになり、そうした人間にはなりたくない」と語った。

 ただ、4年間の任期中、理念を同じくする若者が政治に参加する手助けをしたいとも語っており、台北市の政治に新たな風を吹き込む可能性がある。