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25年脱原発、結局見直しへ【表】


ニュース 公益 作成日:2018年11月27日_記事番号:T00080634

25年脱原発、結局見直しへ【表】

 頼清徳行政院長は26日、統一地方選と同時に実施された住民投票の結果を尊重し、立法院の民進党議員団とエネルギー政策見直しについて議論を進めると表明した。27日付工商時報が伝えた。

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 頼行政院長は記者会見で「住民投票結果を前向きにとらえる。自分は『民主万歳』の人間だ。過去には与野党の対立で台湾が前進できなかったが、住民投票法で対立を解決できることは好ましいことだ」と述べた。

 これに先立ち、行政院のコラス・ヨタカ報道官は25日、住民投票の結果について、2025年の脱原子力発電目標に変更はないと説明していたが、結局は民意無視との批判にさらされ、政策見直しを迫られた格好だ。

 工商時報は「頼行政院長の動きは報道官の失言の火消しに当たるとともに、各界や立法委員の怒りを鎮めようとしたものだ」と評した。

専門家「電力不足は確実」

 今回の住民投票には、25年までに脱原発をうたった電業法の条文を廃止するかどうかを問う投票が含まれ、賛成多数で成立した。頼行政院長は、中央選挙委員会(中選会)による住民投票結果の公告(11月30日)の3日後、問題の条文は効力を失うため、行政院が条文廃止の法案を立法院に提出。改めてエネルギー政策の見直し方向について、説明を行うことになるとした。

/date/2018/11/27/15lai_2.jpg頼行政院長は、立法院で十分に討議した後で、社会に対して説明すると述べた(26日=中央社)

 頼行政院長は段階的に廃止する予定だった原発3カ所の稼働延長については明言しなかった。しかし、政府高官は「住民投票で示された大きな方向性は受け入れなければならない」とし、台湾電力(台電、TPC)が第2原発(新北市万里区)、第3原発(屏東県恒春鎮)の稼働延長について、法律面や技術面などから検討に着手することになると説明した。ただ、第1原発(新北市石門区)は1号機の稼働免許が12月5日で切れ、設備が最も老朽化していることから、予定通り廃止される見通しだ。

 住民投票では、火力発電の割合を毎年1%ずつ削減する方向性も示されたため、専門家は民進党が原発の稼働を延長せず、25年脱原発を強行すれば、電力不足が確実に起きると警告している。脱原発政策は重大な転換点を迎えた。