ニュース 石油・化学 作成日:2018年11月29日_記事番号:T00080677
中国石油化学工業開発(CPDC、中石化)の旧・安順工場(台南市安南区)で起きたダイオキシン公害をめぐる損害賠償訴訟で、最高法院は28日、被告の主張の大部分を退け、原告約400人への総額1億8,000万台湾元(約6億6,000万円)の賠償金の支払いを命じる原告勝訴の判決を下し確定した。29日付自由時報が報じた。
原告弁護団の林媗琪弁護士(左3)は、判決に肯定的な評価をしつつも、経済部の責任を問えなかったことは遺憾とコメントした(28日=中央社)
これに先立ち、二審の台湾高等法院台南分院は昨年8月、総額1億9,000万元の賠償金支払いを命じる判決を言い渡し、中石化が上訴していた。最高法院は二審と同様、経済部に連帯賠償責任はないとの判断を示した。
ただ、最高法院は原告5人が二審段階で追加で求めた52万元の賠償には請求権時効の疑いがあるとしたほか、原告44人の医療費610万元については、矛盾点があるとして、審理を高等法院に差し戻した。
中石化の広報担当者は「判決を尊重するが、心を痛めている」とし、適用された法律に憲法上の疑義がないかどうかを検討し、憲法判断を求めることもあり得るとの立場を表明した。
中石化の旧・台南安順工場は、国営事業の台鹸安順工場を前身とし、かつて水銀電解法による水銀汚染が起きたほか、ペンタクロロフェノールナトリウム塩を製造する過程でダイオキシンが発生し、雨水を通じて土壌や地下水の汚染が起きた。その後の調査で、地元住民の体内にダイオキシンが蓄積され、多くのがん患者が発生したことが判明。当初の原告213人のうち、既に63人が亡くなっている。
地元住民は2008年に中石化、経済部、台南市政府を相手取り、3億4,000万元の賠償を求めて提訴した。うち台南市政府とは15年に和解が成立。中石化、経済部との訴訟が継続していた。
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