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iPhone3G衝撃の199ドル、宏達は迎撃に自信


ニュース 電子 作成日:2008年6月11日_記事番号:T00008074

iPhone3G衝撃の199ドル、宏達は迎撃に自信

 
 米アップルの携帯電話「iPhone」の新型モデル「iPhone 3G」が199米ドル(8GB)という驚きの低価格で発表されたことを受けて、タッチパネル式スマートフォンでアップルと競う宏達国際電子(HTC)は、10日の株価がストップ安となった。しかし、周永明同社執行長(CEO)は「市場のパイの拡大は歓迎」と余裕を見せている。11日付工商時報が報じた。
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 iPhone 3Gは第3世代(3G)の高速通信対応機種で、デジタル音楽プレーヤー「i Pod」、タッチパネルなど従来の機能に加え、全地球測位置システム(GPS)も搭載した。パネルは3.5インチワイドスクリーンを採用している。 

 衝撃的なのは販売価格の安さで、米国では通信キャリアAT&Tとの提携で8GBタイプは199米ドル、16GBタイプで299米ドルという設定となった。これは、2G版が当初発売された際の価格599米ドル(8GB)の3分の1だ。欧州ではO2との提携で、8GBタイプで45ポンド(約9,400円)、16GBタイプで75ポンド(約1万5,700円)と米国の半額以下が予定されている。しかし欧州の場合、月間の基本利用料が30~35ポンドと、AT&Tの2倍高い。

 iPhone 3Gは7月11日に日米や欧州の主要国22カ国・地域で一斉に発売されるが、低価格で人気を呼ぶと予想されている。

「ダイヤモンド無料販売も」

 iPhone 3Gの発売について周永明執行長は、「タッチパネル機能と、モバイルインターネットが盛り上がってきたことはうれしい」とコメントした。iPhone 3Gの低価格についても、これまで欧州で大手通信キャリアの補助によって「Touch Dual」を29ユーロ(約4,800円)で販売した実績などを挙げ、「最新機種の『ダイヤモンド』は、これから多くのキャリアから補助を受けられると思う。販売価格無料も不可能ではない」と、価格面で負けることはないという見方を示した。

 さらに、「当社の携帯電話は既に世界50カ国以上で、100社以上の携帯キャリアが販売している。市場が拡大している今、問われるのは宏達が十分な競争力があるかどうかだけだ」と語り、iPhone 3Gに十分対抗していけるという認識を示した。

 米国のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)に端を発した消費不振については、「影響は大きくない。ダイヤモンドは7月から出荷が大きく拡大し、年内の販売台数は200万台を超える。今年の目標売上成長率20~30%は変更しない」と指摘した。 

3社が提携競う

 iPhone 3Gの台湾発売をめぐっては、中華電信、遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)、台湾大哥大(タイワン・モバイル)の大手キャリア3社が提携を競っているが、11日付自由時報によると、中華電信が最も積極的で、早ければ第3四半期中に発売されるという観測が出ている。価格は6,000元(約2万1,000円)程度になる見通しだという。

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大立光と晶技に恩恵

 iPhone 3Gは組み立て担当の鴻海精密工業など、多くの台湾企業が部品供給にかかわっている。工商時報によると、デジタルカメラレンズの大立光電(ラーガン・プレシジョン)、クリスタル部品の台湾晶技(TXC)は、iPhone 3G、HTCダイヤモンドに共に製品を供給しており、両者の競争によって最も恩恵を受けるメーカーに挙げられている。