ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

台北市の「幽霊党資産」、党産会が指摘


ニュース 政治 作成日:2018年12月4日_記事番号:T00080766

台北市の「幽霊党資産」、党産会が指摘

 台北市基隆路の松山高級中学に近い「松山油漆廠(塗料工場)」跡が権利者不在のまま、国民党の「幽霊党資産」となっていることが、不当党産処理委員会(党産会)の調べで明らかになった。土地公告現値(路線価に相当)で20億台湾元、時価にして40億元(約150億円)の価値があるとみられる。4日付自由時報が伝えた。

 問題の土地は戦後に台湾工礦公司が日本統治時代の塗料工場を接収したもので、当時の名称は「台湾工礦公司化工処松山油漆廠」だった。その後、1955年に国民党が党営事業の一部として落札。59年に台湾鉄路(台鉄)に転売した。しかし、政府から代金支払いを受けた後も所有権移転登記が行われず、64年に松山油漆廠が会社登記を抹消したため、権利主体が消滅した「幽霊党資産」となった。

 台鉄は現在、所有権移転登記未了のまま、資材置き場や宿舎としてこの土地を使用している。台鉄は過去に所有権移転を申請したが、権利者不在の状態で退けられた。台鉄は最近、請求権時効で対処策がないことから、党産会に協力を要請していた。

 台鉄は国民党にも協力を求めたが、土地の所有権が国民党の名義となっているわけではないため、同党は「われ関せず」という対応だ。問題の土地は台北市の繁華街「東区」の一角に位置し、台鉄としては資産の有効利用を図りたい立場だが、手詰まり状態に追い込まれている。