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ラーガン11月28%減収、5G目前でスマホ買い控え鮮明


ニュース 電子 作成日:2018年12月6日_記事番号:T00080799

ラーガン11月28%減収、5G目前でスマホ買い控え鮮明

 スマートフォン用カメラレンズ最大手、大立光電(ラーガン・プレシジョン)が5日発表した11月連結売上高は40億800万台湾元(約150億円)で前月比23.1%減、前年同月比28.6%減だった。アップルのスマホiPhone新機種、アンドロイドOS(基本ソフト)搭載ハイエンド機種の販売不振を反映した。クアルコムが第5世代移動通信(5G)対応スマホが6カ月以内に多数発売されると予測する中、5Gスマホ狙いの消費者の買い控えで、スマホ販売不振は来春まで続く恐れがある。6日付工商時報などが報じた。

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 ラーガンは例年11月の出荷が旺盛だが、11月売上高は市場予測の前月比10~15%減より大きく落ち込んだ。同社は、「顧客の需要が弱く、12月売上高はさらに減少する」と予想している。第4四半期売上高は前期比20%以上減少し、これまでで最も低調な需要期となりそうだ。1~11月売上高は467億2,100万元で前年同期比3%減。通年売上高の前年割れも確定的だ。

中国市場減速

 ラーガンの大口顧客、アップルは、iPhone XR(テン・アール)の売れ行きが期待外れで、第4四半期と来年第1四半期の発注を削減したとみられている。モルガン・スタンレーは、iPhoneの来年第1四半期の出荷台数は前年同期比15%減と予測した。

 スマホ最大手ブランド、サムスン電子は、8月発売の旗艦機種「Galaxy Note9(ギャラクシーノート9)」の人気が長続きしなかった。世界2位の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)は第4四半期から販売が減速しており、来年第1四半期は大幅な在庫調整を行うと予想されている。アップル、小米集団(シャオミ)に続く世界5位のOPPO広東移動通信にも第3四半期から勢いがない。

 モルガン・スタンレーによると、中国のスマホ市場は第3四半期に前年同期比10%減少したのに続き、第4四半期は10~15%減少、来年第1四半期は5~10%減少する見通しだ。

 外資系証券会社のアナリストは、米中貿易戦争が消費マインドに影響している他、5G対応スマホの発売を前に消費者が買い替えを控えており、スマホ出荷台数が押し下げられていると分析した。

折り畳みスマホ、期待薄

 業界関係者は、サムスンやファーウェイが開発中の折り畳み式(フォルダブル)スマホは購買意欲を刺激できず、ラーガンの来年第1四半期売上高は80億元と、前年同期比10%以上減少すると予測した。

 モルガン・スタンレーは、アップルが来年のiPhone新機種にトリプルレンズを採用する可能性は低いとみており、ラーガン株の投資判断を「アンダーウエート(弱気)」とした。

【図】