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記事番号:T00080823
2018年12月7日15:45

 中国の通信設備大手、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)創業者の長女、孟晩舟首席財務官(最高財務責任者、CFO)が、対イラン制裁違反の疑いで米国の要請を受けたカナダ当局に拘束されたことが明らかになり、台湾サプライチェーンにも衝撃が広がった。第5世代移動通信(5G)サービス開始を目前に、ファーウェイの5G関連製品の使用を禁じる動きが世界各国で広がる懸念がある。一時休戦に入った米中貿易戦争の解決は遠のいたとみられ、スマートフォン販売不振に続き、台湾電子業界への追い打ちとなりそうだ。7日付工商時報などが報じた。

/date/2018/12/07/00top_2.jpg孟CFO。専門家は、中国が米国企業の幹部を拘束する報復措置の可能性を指摘した(6日=中央社)

 中国の証券会社によると、ファーウェイのサプライヤーは世界2,000社以上。主要92社は、米国企業33社の他、▽聯発科技(メディアテック)▽台湾積体電路製造(TSMC)▽日月光投資控股(ASEテクノロジーホールディング)▽大立光電(ラーガン・プレシジョン)▽鴻海精密工業──など台湾メーカーも多い。

 証券業界関係者は、仮にファーウェイの事業が中断すれば、ファーウェイ傘下の深圳市海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)を顧客とするTSMCは売上高の約5%、ファーウェイのスマホにカメラレンズを供給するラーガンは売上高の約10%が減少すると予測した。

 富邦証券投資顧問は、影響を受ける企業として他に、スマホ関連で▽頎邦科技(チップボンド・テクノロジー)▽南茂科技(チップモス・テクノロジーズ)▽易華電子(JMCエレクトロニクス)──、基地局・通信設備関連で▽聯亜光電工業(ランドマーク・オプトエレクトロニクス)▽聯鈞光電(エリート・アドバンスト・レーザー)▽光環科技(トゥルーライト)▽華星光通科技(LUXNET)▽全新光電科技(ビジュアル・フォトニックス・エピタキシー、VPEC)▽環宇通訊半導体控股(GCSホールディングス)▽穏懋半導体(ウィン・セミコンダクターズ)▽明泰科技(アルファ・ネットワークス)──を挙げた。

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 富邦証券投資顧問は、ファーウェイの基地局設備の世界市場シェアは30~35%、光通信設備は40~45%と、それぞれ世界最大のサプライヤーで、今後、5G関連設備業界に影響を与えることは必至だと指摘した。米国が今後、仮に米部品メーカーに対しファーウェイへの販売禁止措置に踏み切れば、台湾サプライチェーンに対する影響は、今年4月の禁輸措置で一時事業中断に追い込まれた中興通訊(ZTE)制裁当時を大きく上回る恐れがあると指摘した。ファーウェイの2017年の売上高は921億米ドルと、ZTEの4.8倍に上る。

 なお、米国は7月にZTEへの販売禁止措置を解除したものの、その後8月より安全保障上の懸念を理由に、政府機関と取引企業に対し、ファーウェイとZTEの製品の使用を禁じている。

経済部、「影響は小さい」

 沈栄津経済部長は、台湾メーカーはファーウェイだけに供給しているわけでなく、リスク分散を図っており、柔軟に対応できるはずで、影響は小さいとの見方を示した。経済部の羅達生技術処長は、ファーウェイはまだ5Gチップを生産しておらず、台湾の5G産業への実質的な影響は出ていないと述べた。

 一方、ファーウェイ製品への規制は世界各国で広がりつつある。豪州が8月、ファーウェイからの5G設備の調達を事実上禁止した他、ニュージーランドも追随の動きを見せている。

 日本政府も、ファーウェイとZTE製品を政府調達から締め出す方針のようだ。欧州連合(EU)に対しても、米国はファーウェイ規制を求めており、英国やドイツは検討に入ったとみられている。

【表】

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