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「台湾のTPP加入は困難」、日本食品住民投票で河野外相


ニュース 政治 作成日:2018年12月10日_記事番号:T00080869

「台湾のTPP加入は困難」、日本食品住民投票で河野外相

 河野太郎外務大臣は7日、台湾で先月、福島第1原子力発電所周辺5県からの食品輸入規制の継続を求める住民投票が圧倒的多数で成立したことについて、「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP、TPP11)」が年内に発効する中、参加の意思表明をしている台湾は参加できないことになり非常に残念と語った。日本政府関係者が、台湾は食品の輸入規制問題でTPP11に加盟できないと明確に語ったのは今回が初めて。8日付蘋果日報などが報じた。

/date/2018/12/10/16tpp_2.jpg河野外相(中)は福島県産の食品の安全性を海外に紹介するイベントで、「福島は今後さらなる復興を遂げる」とアピールした(7日=中央社)

 河野外相の発言について、蔡英文政権の高官は「国民党が選挙目当てに無責任な住民投票を実施したせいで、国家の重要な利益が失われた」と強く批判した。一方、住民投票を主導した郝龍斌国民党副主席は「日本側がこの問題で台湾を改めて脅すのは遺憾であり、民進党のいわゆる『史上最も友好的な台日関係』という虚言を打ち砕いた」と政府批判に結び付けた。

 一方、台湾経済研究院(台経院、TIER)景気預測センターの孫明徳主任は、「TPP11には米国、中国のような大輸入国が参加しておらず、参加しても膨大な利益があるわけではない」と指摘し、台湾の加盟には中国の反発も予想されたことから、河野外相の発言によって落胆する必要はないと述べた。その上で、日本食品に対する輸入規制措置は、食の安全問題のみならず貿易問題であるため、政府が住民投票の実施前にこの点をしっかり説明すべきだったと語った。