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記事番号:T00080873
2018年12月11日15:42

 台湾区工具機零組件工業同業公会(TMBA)が10日発表した統計によると、11月の工作機械輸出額は2億9,600万米ドルで、前月比2.2%減少、前年同月比4.7%減少し、今年初めて前年を下回った。米中貿易戦争の影響で、中国向けが前年同月比11%減と4カ月連続のマイナス成長を記録し、米国向けの受注増加ではカバーしきれない状況だ。来年の春節(旧正月、2019年は2月5日)前後には受注が底を突く恐れがある。11日付工商時報などが報じた。

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 台湾の工作機械業界は今年年初、各社が3~6カ月先まで受注しており、ボールねじやリニアガイドなど一部部品の供給が逼迫(ひっぱく)し、2度値上げするほどだった。中国の工作機械の需要は年間60万~70万台と、世界最大規模。米中貿易戦争の影響で、下半期は一転、特に中国市場向けを主力とする工作機械メーカーで受注が半減し、生産ラインの稼働率が低下している。非上場の中小工作機械メーカーの一部では11月より、従業員に休暇取得を奨励し、実質週休3日になっているという。

部品の値下げ交渉も

 東台精機(東台マシン&ツール)は、上半期に受注した分を下半期に出荷しているが、下半期は中国からの受注が鈍っていると指摘。過去3カ月の受注は月9億台湾元(約33億円)まで減少しており、来年4月までしか受注見通しが立っていないと明かした。

 程泰機械(グッドウェイ・マシン)と亜崴機電(AWEAメカトロニック)も下半期は中国からの受注が減速しており、すぐに納品できない受注は削減されたという。グッドウェイは年内までしか受注見通しが立っていない。AWEAの受注残高は14億~15億元で来年第2四半期まで見通しが立っているが、ピーク時の22億~23億元と比べると大幅に減少している。

 工作機械メーカー各社は利益確保のため、11月より部品メーカーに値下げ交渉を行っている。部品メーカーの▽上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)▽銀泰科技(PMI)▽全球伝動科技(TBIモーション・テクノロジー)──は受注減少のため、納期が3~4カ月に大幅短縮し、わずか2~3カ月というケースも出ている。米中貿易戦争の拡大前は、納期が1年以上先の製品もあった。

 工作機械部品大手、ハイウィンの卓永財董事長は、一部の工作機械メーカーは「無給休暇」(景気を理由とした労働時間削減、実際には有給を含む)を実施しており、欧米の顧客はクリスマス休暇で調達が見込めず、12月の出荷は期待できないと指摘した。

/date/2018/12/11/00top_2.jpgハイウィンの卓董事長は、米中和解に期待は持てず、製造業で簡単に稼げる時代は終わったと指摘した(中央社)

来年の設備投資凍結か

 台湾機械工業同業公会(TAMI)の王正青秘書長は、今年通年の工作機械輸出額は36億~36億5,000万米ドルと、前年比約10%増にとどまると予測した。通年の機械設備全体の輸出額は270億米ドルへと、従来予測の280億米ドルから下方修正した。

 TAMIは、米国は中国製品に対する来年1月の制裁関税引き上げを見合わせたものの、これまでに課した10%と25%の制裁関税は継続していることから、製造業は来年第1四半期も模様眺めムードが続き、設備投資が見送られると予測した。

【図】

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