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江丙坤元海基会董事長が死去、中台関係に多大な貢献


ニュース 社会 作成日:2018年12月11日_記事番号:T00080897

江丙坤元海基会董事長が死去、中台関係に多大な貢献

 台湾の対中窓口機関、海峡交流基金会(海基会、SEF)の董事長などを歴任した江丙坤氏が10日夜、死去した。85歳だった。8日夜に台北市のホテルで友人と会食中に大動脈解離で倒れ、病院の集中治療室に入っていたが、10日午後より容体が急に悪化した。11日付聯合報などが報じた。

/date/2018/12/11/18jiang_2.jpg江丙坤氏。中台関係と日台関係に大きな足跡を残した(中央社)

 江氏は1932年に南投県で生まれ、李登輝政権下で経済部長、経済建設委員会(現国家発展委員会)を歴任し、98年にはアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に台湾を代表して参加している。

 2008年から12年まで、馬英九政権下で4年4カ月にわたって海基会董事長を務め、中国側の陳雲林・海峡両岸関係協会(海協会)会長と8回の会談を行い、海峡両岸経済協力枠組み協定(ECFA)をはじめ18項目の協定をまとめた。00年以降、中国を訪問した回数は200回以上に上る。

 馬前総統は、江氏は中台交渉を制度化して新たな局面を切り開き、中国の台商(台湾系企業)を支援して、中台双方の当局と人々から真の信頼を得た人物であり、卓越した貢献は中台関係史上に銘記されると故人をたたえた。

 江氏は日本との関係も深く、東京大学で農業経済学博士号を取得し、中華民国駐日大使館で勤務。99年に中国信託金融控股(中信金、CTBCフィナンシャル・ホールディング)の創業者、辜濓松氏らとともに中華民国三三企業交流会(三三会)を立ち上げ、後に会長に就任するなど日台間の財界交流を推進した。14年に中国信託商業銀行(CTBCバンク、中信銀)傘下に入った東京スター銀行の会長に就任。15年には長年の日台交流への貢献が評価されて日本政府より旭日重光章を受章した。

 江氏は3~5日に中国・福建省アモイ市で開かれた「2018両岸企業家峰会年会」ではオープニングセレモニーで司会を務めており、亡くなる直前まで中台関係の第一線で働いた。