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記事番号:T00081033
2018年12月19日15:38

 国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は18日発表したレポートで、半導体メーカーの2019年世界設備投資予測を前年比8%減の557億8,000万米ドルに下方修正し、従来の7%増から一転、前年割れを見込んでいる。ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の5ナノメートル製造プロセス投資などで、台湾の設備投資予測は前年比24%増とプラス転換したものの、米中貿易戦争やメモリー価格下落から中韓メーカーなどが投資計画を先送りしているため。半導体景気の転換点となりそうだ。19日付工商時報などが報じた。

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 SEMIによると、今年8月に半導体メーカー400社以上の設備投資計画を分析後、18年下半期の販売額予測は13ポイント引き下げ、19年上半期は16ポイント引き下げた。これにより、18年の設備投資予測を605億2,000万米ドルで10%増へと4ポイント引き下げ、19年予測を8%減へと一挙15ポイント引き下げた。当初は19年まで4年連続成長を予測していた。

メモリー需要が減少

 地域別では、中国の19年設備投資額は119億5,700万米ドルで前年比2%減、韓国は120億8,700万米ドルで35%減へと、前回予測から50億米ドル下方修正した。

 SEMIの曹世綸台湾区総裁は、米中貿易戦争に加え、メモリー価格の下落が設備投資額減少の主因で、中国メーカーや28ナノ以上の成熟プロセスで設備投資の削減幅が大きいと指摘した。

 SEMIによると、メモリーの19年設備投資額は前年比19%減の予測で、うちDRAMは23%減、3D NAND型フラッシュメモリーは13%減の見通しだ。SEMIは、今年NAND型フラッシュメモリー価格が急落し、DRAM価格も第4四半期に弱含んだことで、メモリーメーカーが設備投資を削減し、予約した設備の納入も見合わせていると説明した。NAND型フラッシュメモリーやDRAM市場シェアが非常に高いサムスン電子やSKハイニックスが投資を見合わせている。

 中国では、12インチウエハー工場の建設や稼働が相次ぎ、今年の設備投資額は前年比84%増に上ったものの、米中貿易戦争やメモリー市況の低迷で、▽中芯国際集成電路製造(SMIC)▽聯華電子(UMC)▽SKハイニックス▽グローバルファウンドリーズ(GF)──などが来年の投資を見合わせている。

台湾と北米は増加予測

 SEMIの予測によると、台湾の19年設備投資予測は114億3,800万米ドルと前年比24%増加する他、北米も49億6,500万米ドルで3%増加する見通しだ。

 台湾では、TSMCが5ナノプロセス採用の南部科学工業園区(南科)Fab18工場建設を加速している他、EUV(極端紫外線)リソグラフィー技術の導入を急いでいる。TSMCは、3ナノプロセス工場も計画している。

 また、半導体メモリー大手、米マイクロン・テクノロジーの19年設備投資予測は前年比28%増の約105億米ドルで、台湾と北米の工場で生産能力増強や設備更新を行う計画だ。

 この他、インテルはCPU(中央演算処理装置)供給不足問題を解消するため、14ナノプロセス生産能力を増強する他、アップルのスマートフォンiPhoneのモデムチップ向けに10ナノプロセス生産能力を急いでいるようだ。

ウエハー価格下落の懸念

 半導体メーカーの設備投資減速を受け、半導体用シリコンウエハー需要の弱まり、供給過剰、価格下落が懸念されている。シリコンウエハー大手の▽環球晶円(グローバルウェーハズ、GWC)▽台塑勝高科技(フォルモサ・サムコ・テクノロジー、台勝科、FST)▽合晶科技(ウエハーワークス)──に打撃となる恐れがある。また、設備メーカーの京鼎精密科技(フォックスセミコン・インテグレーテッド・テクノロジー、fiti)などにも悪材料だ。

【表】

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