鴻海精密工業の郭台銘（テリー・ゴウ）董事長が創設した慈善団体、永齢健康基金会は18日、傘下のバイオ医療分野における起業支援プログラム「Ｈ.スペクトラム」を通じ、ドイツの医薬品大手、メルクと、欧州や世界市場進出を視野に入れた起業支援や台湾人材の育成を進める「Ｈ.スペクトラム＆メルク・イノベーション・ラボ」を設立することで提携の覚書（ＭＯＵ）を交わした。19日付経済日報が報じた。
患者中心の医療管理サービスや精密医療（プレシジョン医療）などの分野で提携を進める（メルクリリースより）
Ｈ.スペクトラムは2015年に設立。これまでに80社の起業支援、医師やエンジニア400人超の育成を行っている。鴻海・健康科技事業群の呉良襄董事長は、「350年の歴史を持つメルクに比べるとＨ.スペクトラムは小さな胚芽にすぎない」と語り、提携により経験や知識、知恵を蓄積し、台湾のスタートアップと医療の強みを連携したいと表明した。
「Ｈ.スペクトラム＆メルク・イノベーション・ラボ」は今後、起業講座の開講や起業プラットフォームの提供、国際的な資金や顧客との橋渡しなど支援を行い、バイオ医療分野におけるスタートアップの成功率を高める方針だ。
