ニュース 社会 作成日:2018年12月28日_記事番号:T00081261
体重わずか860グラムで花蓮県の病院に生まれた未熟児がこのほど、壊死(えし)性腸炎を患って命が危ぶまれる状況に陥った。母親は設備の整った台湾大学医学院附設医院(台大医院、台北市)で治療を受けさせようと決意し、保育器に入ったわが子と救急車に飛び乗った。そして「一刻を争う」とソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に事情を投稿したところ、これを見た国道公路警察局が救急車の先導を買って出た他、インターネットユーザーが経路沿いを走行する車両の運転手に道を空けるよう呼び掛け、スムーズに台北に到着することができ、万全の態勢で治療が受けられることとなった。
台大児童医院に到着した救急車。命のリレーがつながった(27日=中央社)
先月2日、花蓮市の門諾医院(MCH)で生まれた男の赤ちゃん「祥祥ちゃん(仮名)」は、妊娠6カ月余りで生まれた未熟児。体が極めて小さく、弱いことから、これまでずっと保育器の中に入れられ、体中にチューブを取り付けて命を維持してきた。約1カ月たったある日、担当医師は祥祥ちゃんに壊死性腸炎の症状が出ているのを発見。今月22日、花蓮慈済医院へ緊急搬送し、治療を受けさせることとなった。
しかし、ここでも祥祥ちゃんの容体は改善せず、おなかが日増しに膨れ上がっていく様子を見た母親は、わが子の命が消えかかっていると感じ、長距離移動による負担のリスクを冒してでも設備の充実した台大医院で治療を受けさせようと決意した。民間の救急車を手配し、175キロメートル離れた台北を目指し、27日正午に花蓮を出発した。
出発前日、母親はフェイスブック(FB)で「台北に向かう途中には蘇花公路や雪山トンネルなど交通量が多いエリアが存在するが、息子の命を救うため、道を譲ってほしい」と呼び掛けた。するとネットユーザーがこの投稿を「爆料公社」などFB上の人気コミュニティーページに転載し、またたく間に情報が拡散した。
さらにこの情報に気付いた国道公路警察局の関係者がすぐに祥祥ちゃんの母親に連絡を取り、警察車両5台を派遣し、救急車を先導したり、沿線の交通整理を行ったりした。その結果、救急車は途中、時速150キロを維持して走行し、通常は3時間を要する台北までの道のりを約2時間半に短縮することができた。
何事もなく無事に台大医院へ到着できたことに感極まった母親は涙を流し、警察やネットユーザー、道を譲ってくれた運転手などに感謝を述べた。台大医院で診察を受けた祥祥ちゃんは、腸の手術が必要と診断され、手術に向けて体調が整うのを待っている状況。何とか生き延びてお母さんをもっと喜ばせてほしいものだ。
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