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19年新車販売40万台も、2年連続の前年割れ懸念


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2019年1月3日_記事番号:T00081277

19年新車販売40万台も、2年連続の前年割れ懸念

 2018年の新車登録台数は43万5,135台と前年比2.1%減少し、3年ぶりに前年割れに陥った。台湾生産車の不振が続く中、今年の新車販売についても、最大手の和泰汽車が楽観しておらず、裕隆集団は前年より小幅に減少すると予測している。業界では、好材料が全く見当たらず、40万台水準まで落ち込むとの見方も出ている。3日付経済日報などが報じた。

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 トヨタ台湾総代理店、和泰汽車の18年新車登録台数は12万766台で、前年比5.7%減だった。市場シェアは27.8%で、17年連続の首位だった。車種別の上位5位のうち3位以外を占め、▽カローラ・アルティス、2万7,912台▽RAV4、1万8,876台▽シエンタ、1万5,698台▽ヤリス、1万2,791台──だった。一方、レクサスは1万7,800台で23.1%増と、高級車ブランドで最大の伸び幅だった。特にNXシリーズが人気で、7,000台近く売れた。

 裕隆集団の中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)は4万9,204台で前年比2%増、シェア11.3%で2位だった。商用車の販売が支えた。裕隆日産汽車は、3万6,708台で13.9%減、シェア8.4%で4位に転落した。

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 一方、台湾ホンダは3万8,822台で、前年比13.9%増加し、シェア8.9%と、設立16年で初めて3位入りを果たした。台湾生産SUV(スポーツ多目的車)「CR-V」が人気で1万8,673台売れ、車種別の3位だった。

 経済日報は、和泰汽車、中華汽車、裕隆日産の大手3社はいずれも日本ブランド、台湾生産車が主力で、SUVブームに乗り遅れたことが18年市場規模の縮小につながったと分析した。

 業界関係者は、不景気に加え、▽統一地方選挙▽軍人・公務員・教員(軍公教)の年金改革▽16年に始まった新車買い替えの貨物税(物品税)減免措置の効果低減──を理由に挙げた。

輸入車、頭打ちか

 5位の台湾賓士(メルセデス・ベンツ台湾)は2万9,172台で前年比4.1%増、シェア6.7%だった。6位は台湾馬自達汽車(マツダモーター台湾、MMT)の2万3,724台で6.1%増、シェア5.5%だった。両社は過去最高を更新した。台湾福斯汽車(フォルクスワーゲン台湾、VW台湾)は1万6,255台で18.3%増え、シェア3.7%で9位だった。

 18年の新車登録台数のうち台湾生産車は23万7,854台で前年比6.7%減、シェアは54.7%に低下した。輸入車は19万7,281台で前年比6.3%増、シェアは45.3%と、過去20年で最高だった。メルセデス・ベンツ、レクサス、BMW、ボルボ、ポルシェ、アウディ、インフィニティなど高級車は8万1,253台で前年比2.8%増、シェアは18.1%で過去最高だった。

 台湾生産車の関係者は、輸入車は急成長が続いたが、高級車の18年新車登録台数は1.7%増にとどまり、頭打ちが近いと予測した。輸入車はエントリーモデルの充実で、消費者にとって敷居が下がったが、点検や修理など維持費がかさむことに気付けば、売れ行きが鈍ると指摘した。

 台湾生産車は、昨年11月発売の日産の小型SUV「キックス」に続き、今年は▽トヨタ「カローラ・アルティス」▽フォード「フォーカス」▽韓国・現代自動車「サンタフェ」▽中華汽車「デリカ」──などのモデルチェンジで、巻き返しを図る。

国瑞汽車、再び無給休暇

 一方、トヨタ車などを生産する、自動車組み立て最大手の国瑞汽車は昨年12月末時点で、景気を理由とした労働時間削減、いわゆる「無給休暇(実際には有給を含む)」を2,400人余りに対して実施している。労働部は半月ごとに無給休暇の統計を発表しており、国瑞汽車は過去3カ月で3度目の無給休暇実施だ。

 国瑞汽車は、今年第1四半期にカローラ・アルティスの新モデルが発売予定で、現在準備を急いでいると説明。昨年第4四半期は給与3割カットの無給休暇があったが、今年はないと表明した。

 労働部の2日発表によると、昨年12月末時点で無給休暇を実施している企業は25社、3,521人で、12月15日時点より2社、2,634人増加した。

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