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習主席が「一国二制度」迫る、蔡総統は断固拒否


ニュース 政治 作成日:2019年1月3日_記事番号:T00081297

習主席が「一国二制度」迫る、蔡総統は断固拒否

 習近平・中国国家主席は2日、「台湾同胞に告げる書」発表40周年記念大会で、台湾統一は必須であり、必然と強調。台湾に適合した「一国二制度」を提起する考えを表明した。2日付世界日報電子版などが報じた。

/date/2019/01/03/17xijinping_2.jpg習主席の談話は従来路線を改めて述べたもので、新味に乏しかった(2日=中央社)

 習主席は「1992年の共通認識(92共識)」について、「同じところを求めながら異なる点を残しつつ(求同存異)、一つの中国に属する両岸(中台)が国家の統一を求める92共識で合意した」と語り、「統一」トーンを強めた。また、平和的統一に最大の努力を払うとしながらも、台湾への武力行使を放棄したことはなく、これは外部勢力とごく少数の台湾独立分子に対してのものと強調した。

 また、「一国二制度」を基礎に、台湾に合った制度案を提出し、平和的統一の実践を豊かにすると表明した。その上で、制度の差異は統一への障害や口実とはならず、一世代一世代と先延ばししてはならないと訴えた。台湾独立は歴史への逆行であり、袋小路と指摘。引き続き、台湾同胞に対して大陸(中国)の発展を分かち、同等の待遇を与えるとした。

 そして、台湾は統一後、永久に安定を保て、民衆は安心して暮らすことができ、強大な祖国をよりどころとして民生・福祉はさらに改善し、国際社会ではさらに尊厳を得られると強調した。

中国の対台湾姿勢を批判

 蔡英文総統は同日「92共識を受け入れないことが台湾の共通認識で、絶対多数が一国二制度に反対している」との談話を発表し、習主席の提案を拒絶した。その上で、「中華民国台湾の存在」を正視し、2,300万人が民主を堅持していることを尊重するよう中国側に求めた。

 蔡総統はまた、アフリカ豚コレラ問題で中国が台湾からの問い合わせに一切応じないことや、海外大手企業に「台湾」の名称を変更させること、台湾の友好国を買収すること、軍用機に台湾を周回させるといった中国の台湾に対する姿勢を、信頼感を損なうものとして批判した。

 大陸委員会(陸委会)も、習主席が提唱した「民主的協議」を、独裁政権に民主はあり得ず、台湾は主権を消滅させる提案は受け入れないと反論した。

 野党国民党側では、馬英九前総統が、両岸は依然統一の条件を備えておらず、中国共産党が何と言おうが台湾の「一つの中国」とは「中華民国」のことだと強調した。