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ウェスティン台北、20年の歴史に幕


ニュース 社会 作成日:2019年1月3日_記事番号:T00081300

ウェスティン台北、20年の歴史に幕

 台湾を代表する高級観光ホテルで、六福旅遊集団(レオフー・ツーリズム・グループ)傘下の台北威斯汀六福皇宮(ザ・ウェスティン台北)が昨年の大みそかに閉館し、約20年の歴史に幕を閉じた。最終日に開かれた「閉館パーティー」にはオープン当時に台北市長だった馬英九前総統や常連客など約200人が出席し、別れを惜しんだ。

/date/2019/01/03/18kakomi_2.jpg荘執行長をはじめスタッフ一同が一列に並んでお辞儀をし、宿泊客との別れを惜しんだ(31日=中央社)

 ウェスティン台北は1999年、台湾で初めて「ウェスティン」ブランドを冠した五つ星ホテルとして台北市南京東路に開業。周辺の南京商圏は高級ホテルが存在しなかったことや、五つ星ホテルとしては珍しく地下に映画館が設置されたこともあって話題を呼んだ。

 同ホテルの「従業員第1号」で当時、1人で開業準備を手掛けた現在の荘豊如レオフーグループ執行長は、オープン直後の99年9月に台湾中部大地震(921大地震)が発生し、キャンセル対応に追われたり、周辺でMRT(都市交通システム)の工事が始まり、交通の便が悪化したりと、たびたび困難に見舞われ、経営は容易ではなかったと振り返った。

 一方、近くにMRT南京復興駅があるほか、オフィスビルも増えていったことでウェスティン台北は多くのビジネス客に利用されるようになり、近年では客室稼働率が平均70%以上を維持。「頤園」、「留園」、「絲路宴」といったホテル内のレストランも人気を集めた。

 ただ高騰する建物の賃料に経営が圧迫され、毎年のように赤字を計上。貸主の国泰人寿保険(キャセイ・ライフ・インシュアランス)と賃料に関する交渉を続けたものの決裂し、賃貸契約を延長しないとの通知を受けた。

 昨年4月に閉館を発表して以降、ホテルを懐かしむ古くからの常連客による利用が相次いだことや、ホテルが各種優待サービスを打ち出したことで最後の数カ月は客室稼働率が80%以上で推移。さらに「最後の夜」となった12月30日は、35室の宿泊客に備え付けの家具や家電を無料で持ち帰れるようにしたこともあり、稼働率90%以上を記録した。

 レオフーグループの荘秀石総裁は閉館パーティーあいさつで「われわれは(ウェスティン台北の閉館で)ピリオドを打ったのではなく、コンマを記しただけだ」と語り、今後のホテル事業継続に意欲を示した。