ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

ランタンフェスティバル、今年はマグロ年?


ニュース 社会 作成日:2019年1月4日_記事番号:T00081325

ランタンフェスティバル、今年はマグロ年?

 元宵節(旧暦1月15日、2019年は2月19日)ごろに行われる恒例の台湾灯会(台湾ランタンフェスティバル)は今年、クロマグロの水揚げで知られる屏東県東港鎮の大鵬湾国家風景区などを会場に2月19日から3月3日まで開催される。同イベントは30年の歴史を持ち、主役となるメインランタンはこれまでその年の干支(えと)がモチーフに採用されてきたが、今年は初めて慣例を破り、干支の「豚(日本はいのししだが、台湾など中華圏は豚)」ではなく地元の名産「マグロ」が採用された。「ご利益がある」「アフリカ豚コレラを意識し過ぎでは」などと、賛否の声が上がっている。

/date/2019/01/04/19kakomi_2.jpgマグロランタンと子供たち。豚の手提げランタンを手に大喜びだ(3日=中央社)

 ランタンフェスティバル主催の交通部観光局は3日、今年のメインランタンと子供などに配布する手提げランタンのデザインを発表した。「巨鮪来富」と名付けられたメインランタンは、金色のマグロが飛翔するデザインで、台湾の生命力を表現。また中国語で「魚」は「余」と同音のため、「豊かになる」ことを意味する縁起の良いフレーズ「年年有余」を象徴する。

 干支をモチーフに採用するという「お約束」を破ったことに対し「良いアイデア」と評価する声がある一方、「台湾人にとって豚年は待ちに待った干支で、丸々とした形のランタンは年配者に幸福感を感じさせ、子供にも人気だ。マグロのランタンでは漁協のイベントみたいで正月気分が削がれる」と不満の声も聞かれる。

 中には、台湾政府が最近、中国で猛威を振るっている豚の伝染病「アフリカ豚コレラ」の感染拡大を防ぐため水際対策を強化していることに関連付け、豚のランタンを採用しなかったことに対し「アフリカ豚コレラを怖がり過ぎじゃないか?」とジョークにする者もいるようだ。

 不満の声に対し、周永暉観光局長は、今年のメインランタンは例年のようにイベント期間後に撤去せず、永続的に展示し、新たなランドマークとするため、地元の文化、歴史、名産品などと結び付くモチーフを選んだと説明した。

 ただ、屏東県は台湾有数の「養豚県」でもあるため、今回のランタンフェスティバルでは子供などに配布する手提げランタンのモチーフには豚を採用。県政府の黄建嘉広報担当は「豚ファンも失望させない」と強調した。