ニュース 公益 作成日:2019年1月10日_記事番号:T00081408
経済部能源局(エネルギー局)の林全能局長は9日、火力発電、再生可能エネルギーなどの電源構成比について、需要、コスト、大気汚染への影響などの要素を基に改めて検討を行っており、達成目標時期を現在の2025年から30年へ5年先延ばしすると表明した。今月末に詳細を公表する。10日付工商時報などが報じた。
昨年11月の統一地方選挙に合わせて行われた住民投票では、民進党政権が25年を目標としていた脱原子力発電政策の見直しと、火力発電量を毎年1%以上削減する議題が賛成多数で成立し、これを受けて沈栄津経済部長がエネルギー政策を見直すことを表明していた。
目標時期の5年延期によって、原発を改めてエネルギー源として位置付けるのか、または原発廃止の目標時期を30年とするのか注目されるが、林局長は明言を避けた。仮に25年以降も原発稼働を求めるのであれば、第3原発(屏東県恒春鎮)が運転延期となる可能性が高いとみられている。25年時点でもクリーンエネルギーの発電量が十分に拡大していない場合や、第3液化天然ガス(LNG)受け入れ基地(桃園市観音区)が稼働する前の段階で、電力供給の安定に貢献することが期待される。
中央大学台湾経済発展研究中心(台経中心、RCTED)の梁啓源研究員は、5年延期を「とても良いこと」と評価した。原発、石炭火力発電の代替エネルギーの模索に時間的余裕が増えるためで、30年であれば今からでも10年以上の時間があると述べた。
太陽光発電、屋上型拡大も
電源構成の見直しに関連して林局長は、屋上設置型の太陽光発電装置の設備容量が既に2.4ギガワット(GW)に達しており、25年目標の3GWは前倒しで達成できる見通しである一方、地面設置型は各種規制によって目標の17GWの達成が危うくなっていることから、屋上型の割合拡大と地面型の縮小を検討していることを明らかにした。
洋上発電、買い取り価格見直しへ
電力買い取り価格の引き下げ案が業界の反発を呼んでいる洋上風力発電について林局長は、「過去の例では、予告期間に各界の意見を集約した後、買い取り価格は上方修正されている」と述べ、1キロワット時(kWh)当たり5.106台湾元(約18円)の現行案の引き上げを示唆した。能源局は今月30日に買い取り価格の最終決定を行う。
エルステッド、コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)、海龍風電、中国鋼鉄(CSC)の洋上風力発電業者4社が、彰化県沖での風力発電事業をめぐり、昨年の電力買い取り価格に基づく売電契約が認められなかった問題については、業者による事業推進が最重要との認識を示した上で、春節(旧正月、19年は2月5日)までに彰化県政府を訪問し、意思疎通を図る考えを示した。
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