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金融業界の「世紀の結婚」、離婚訴訟に


ニュース 社会 作成日:2019年1月10日_記事番号:T00081431

金融業界の「世紀の結婚」、離婚訴訟に

 8年前、二大金融グループ跡取りと目される御曹司と愛娘が結ばれたことで「世紀の結婚」と騒がれた夫婦の関係が、離婚訴訟にもつれ込むほどに悪化。裁判所は9日、「2人の間に夫婦の愛情はない」と判断し、離婚を認める判決を下した。

 大手金融持ち株会社、華南金融控股の経営者一族、林家の長男で、華南商業銀行で副董事長を務める林知延さん(49)は2011年4月、同じく大手金融持ち株会社、新光金融控股の跡継ぎと目され、新光人寿保険で副総経理を務める呉欣盈さん(40)と結婚。両グループを合わせた総資産額は3兆6,000億台湾元(約12兆6,000億円)に上り、当時は金融業界の「プリンス」と「プリンセス」が結ばれたと大きな話題を集めた。

 2人は両親の紹介で知り合ってゴールインしたそうだが、幸せな時間は長くは続かず、結婚2年後には妻の呉さんが食事会に出掛けた際に撮った写真から、友人のシンガポール籍男性とキスをしていたことが発覚。夫婦関係は険悪になった。

 その後、夫の林さんは妻が信用できなくなったのか、探偵を雇い、呉さんが使っている車に全地球測位システム(GPS)装置を取り付け、その行動を監視していた。しかし、これに気付いた呉さんは怒り心頭に達し、夫をプライバシー侵害の罪で告訴。林さんは無罪判決を得たものの、法廷で妻に謝罪させられることになった。

 こうした経緯に加え、夫婦は5年前から別居していたことから、林さんは離婚を決意したが、呉さんに拒否され、離婚訴訟を起こした。一昨年に出された一審判決では離婚は認められなかったものの、9日の二審判決では、夫婦関係は既に破たんしているとして離婚が認められた。

 呉さんは、2人の間で人工授精により子作りを進めていることを理由に、夫婦の感情が依然として存在していると主張している。なお現在、新光グループの新光医院には2人から精子と卵子を採取し、授精させた胚7個が保存されており、離婚が成立すればこれらを破棄せざるを得なくなるため、婚姻関係の継続を望んでいるようだ。

 今回の判決を受けて呉さんはフェイスブック(FB)上で「冷たい判決により母親になる権利を奪われた」と不満を示した上で控訴する考えを示した。