ニュース 社会 作成日:2019年1月11日_記事番号:T00081455
鄭氏王朝時代の1665年に創建された台湾で最も古い孔子廟(びょう)「台南孔子廟」(台南市中西区)は、2016年2月に発生した台湾南部地震により損傷を受けたが、昨年6月より伝統的な方法を用いて修復作業が進められている。
猪血土は手間ひまがかかるので、少数の職人しか使用していない工法だという(10日=中央社)
1983年に国定古跡に指定された台南孔子廟は、台南の有名観光スポットだが、16年の地震で施設全体に大きな被害を受け、修復が施されることとなった。同古跡の大規模な修復は約30年ぶりだそうだ。
国定古跡に指定されているということもあり、その修復は伝統的な工法に基づいて進められることになる。現在、梁(はり)など木を使用した構造部分の修復が行われており、豚の血を混ぜたペースト「猪血土」が漆塗り前の下地として採用されている。
「猪血土」は豚の血と桐油(アブラギリの種から採った乾性油)、石灰を一定の割合で混ぜ合わせたもの。豚の血は作業当日の朝、食肉処理場から入手した新鮮なものを使用しなければならないという。
豚の血を使用する理由については、約350年前の創建時の工法は既に失われていることもあり、はっきりしていない。言い伝えによると、同様の作業には本来、小麦粉を混ぜたペーストが使用されるのが正式なやり方だそうだ。しかし食糧が乏しかった清朝時代に豚の血が代用されるようになり、以降、この方法が伝統として根付いたとされる。
進められている修復作業は現在、第1期工事で、第2期、第3期工事を経て、早ければ来年半ばにも、新たに命を吹き込まれた台南孔子廟がお目見えする。伝統的な工法に思いをはせながら見学するのも一興かもしれない。
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