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記事番号:T00081457
2019年1月14日15:47

 頼清徳前行政院長を首班とする内閣が昨年の統一地方選挙の大敗を受けて11日総辞職し、14日に民進党の重鎮である蘇貞昌氏(71)が行政院長に就任して新内閣がスタートした。悪化が懸念される景気への対応策や、アフリカ豚コレラの台湾への拡大阻止が当面の最重要課題で、来年の総統選挙が視野に入る中、蔡英文政権の声望回復に向けて手腕発揮が求められる。

/date/2019/01/14/00top3_2.jpg陳建仁副総統(中)の立ち会いの下、行政院長の印章が前任の頼氏(左)から蘇氏(右)に受け渡された(行政院リリースより)

 14日午前10時から総統府で行われた就任式で蘇氏は「腕まくりして奮闘する。突進を始める。人々に良いと思ってもらうことが王道だ」と決意を語った。

 蘇氏は陳水扁政権時代の2006年1月から1年4カ月にわたって行政院長を務めており、約12年ぶりの再就任となった。謝長廷氏とペアを組んだ08年総統選、10年台北市長選、18年新北市長選ではいずれも国民党候補に敗北。民進党では05年と、12年5月から14年5月までの2年間、党主席を務めた。

 70歳を超えたベテランの政治家の行政院長起用に蘋果日報は「民進党の悲哀であり、全ての台湾人にとっての悲哀」、中国時報は「民進党の世代交代問題は外部の想像以上に深刻」と指摘した。確かに新鮮味は全くない。中国時報によると、蔡総統が蘇氏を選んだのは、党内最大派閥の新潮流系を抑えるための派閥力学に基づいた発想からだという。

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 蘇氏を首班とする新内閣では、高雄市長選で落選した陳其邁氏が行政院副院長に、台中市長再選に失敗した林佳龍氏が交通部長に就任した。行政院秘書長には、台南市で頼清徳氏が行政院長に転任した後に代理市長を務めた李孟諺氏が就任した。

 このほか、外交・中台関係、経済関係では全閣僚が頼前内閣から交代せず、継続性重視の人事となった。

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内需拡大の強化呼び掛け

 蘇内閣の経済分野での課題として経済日報は、▽米中貿易戦争による景気悪化への対応策としての内需拡大政策と中小企業への支援▽一般市民に実感される形での経済利益の分配▽台湾へのUターン企業への優遇税率拡大▽エネルギー政策の調整▽包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP、TPP11)加盟に向けた日本との意思疎通の維持──を挙げた。

 特に工商時報は14日付社説で、経済指標の悪化が始まっていることを指摘した上で、内需拡大の強化を強く訴えた。既に発表された台湾域内観光業界への支援や省エネ家電購入への補助などでは景気振興への効果が小さ過ぎるため、蘇内閣は再検討すべきとして大胆な実行を求めている。

頼氏、蔡総統とペア予測

 頼前行政院長の今後の動向について蘋果日報は「20年総統選に蔡総統とペアを組み副総統候補として臨む」との民進党関係者の予測を伝えた。

 頼氏は民進党陣営で総統候補としての声望が最も高いが、同党関係者によると、蔡総統を20年でも引き続き擁立することが陣営分裂を回避する最善策で、頼氏もこれを理解しており、現時点では蔡総統に安易に挑むべきではないと考えているという。

【表】

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