ニュース 社会 作成日:2019年1月14日_記事番号:T00081481
約3年前、総統就任が決まっていた蔡英文氏が海外メディアを集めて開いた記者会見で同時通訳を務めた男性、趙怡翔氏(31)はその流ちょうな英語と心地の良い声で注目を集め、一躍時の人となった。その後、趙氏は能力を買われて外交部に招へいされ、現在は駐米窓口機関の重要ポストに就いており、異例の出世と高い報酬が議論の的となっている。
趙氏。思わぬ批判に巻き込まれることになった(同氏フェイスブックより)
趙氏は、カナダ・ヨーク大学の政治学部を卒業後、英ロンドン大学・バークベック・カレッジで国際経済法の修士号を取得。台湾へ戻ってしばらくは外資系企業で働いたが、もともと政治への関心が高かったことから、蔡総統が個人的に設立した非営利財団「小英教育基金会」に研究員として加わり、その後、民進党の国際部に転じた。
2016年1月に開かれた国際記者会見で評価を高めた趙氏はその後、国家安全会議(国安会)や総統府の秘書長事務所主任を務めた後、外交部に招へいされ、現在は米国へ派遣され、1年雇用の契約で駐米国台北経済文化代表処の政治組長を務めている。
しかしこのポストは通常、外交官としての訓練を受け、10年以上のキャリアを経ても就任が難しいほど重要なもので、外交の経験が乏しい趙氏が契約雇用の身分でこの職位に付き、しかも月に28万2,000台湾元(約100万円)という高い報酬を受け取っていることが発覚し、反発の声が上がっている。
これに対し趙氏は11日、フェイスブック(FB)上で「自分の給与は、米国生活に必要な保険料や税金、家賃、その他の費用を差し引けば15万元前後」と説明。その上で「年齢や所属政党を理由に、私が(記者会見での)功労によって雇われたとか、不適任などと評価しない」でほしいと訴えた。
ただ騒動を受け、趙氏の人事や報酬について健全性と公平性が保たれているか、法的な条件を満たしているかといった観点から既に監察委員が調査を進めている。
一方、呉釗燮外交部長は、「私が忙しい時、在外公館の代表は問題解決を趙氏に頼っており、その能力は保証済みだ」と強調しており、「でき過ぎる」ことで嫉妬を買った可能性もありそうだ。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722