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工研院、ファーウェイスマホを規制


ニュース 電子 作成日:2019年1月15日_記事番号:T00081482

工研院、ファーウェイスマホを規制

 経済部傘下の科学技術研究機関、工業技術研究院(工研院、ITRI)は14日、職員約6,000人に対し、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)のスマートフォンから工研院の無線ネットワークへのアクセスを同日より禁止すると通知した。台湾で情報セキュリティー対策を理由に中国製スマホの使用に規制をかけたのは今回のケースが初めてだ。15日付経済日報などが報じた。

/date/2019/01/15/00top_2.jpgファーウェイのブランドイメージは地に落ちた。先進国ではもはや復活は厳しいだろう(中央社)

 工研院は当初、施設内でのファーウェイ製スマホ、コンピューターの使用を全面的に禁止すると発表したが、職員の間で議論が起き、メディアによる問い合わせが相次いだことから、「ファーウェイ製スマホからの工研院の無線ネットワークへのアクセス禁止」のみに改めた。工研院の施設内でファーウェイ製スマホを使用して、一般的なホームページにアクセスすることは問題ない。

 工研院は同時に、実験に関連してファーウェイ製品を使用している、または使用予定がある場合は直ちにデータセンターに連絡するよう職員に呼び掛けた。規制措置について同院は「科学技術研究の国家機関であるため、多くの研究内容が機密に関わっている。情報セキュリティーを守るため、政府の政策に従った」とコメントした。

 ファーウェイ排除の波が国際的に広がる中、台湾も今年1月から八大基礎インフラに関連した▽交通運輸▽エネルギー施設▽金融サービス▽政府の政策関連▽セキュリティーシステム▽医療衛生▽民生の給水関連──、具体的には病院、金融業、科学園区、通信業などの産業現場で、中国製の通信設備、ソフトウエアサービスの利用禁止が取り決められている。

 なお、国家通訊伝播委員会(NCC)の翁柏宗副主任委員は14日、実際には第4世代移動通信(4G)から通信業者に対し中国製設備の使用を禁止しており、5Gでも同様にすると発言した。

ファーウェイ排除、さらに広がる

 ファーウェイ排除では、米商務省が先週、ファーウェイが米国本土で生産した通信設備とソフトを香港に輸送するのを、設備のセキュリティー面のリスクを理由に規制した。米国では既に大手通信企業に対し中国製設備の使用を禁止している。

 昨年はAT&T、ベライゾン・ワイヤレスなど米大手通信キャリアがファーウェイ製スマホの販売中止を宣言。家電量販店最大手ベスト・バイも昨年3月、ファーウェイ最新スマホの調達を停止した。

 ファーウェイの5G設備は米、オーストラリア、ニュージーランドが既に禁止した。英通信大手BTも、5Gネットワーク設備の入札対象企業からファーウェイを外した。

 日本政府と自衛隊もファーウェイ、中興通訊(ZTE)からのパソコン、サーバー、通信設備の調達を禁止。NTTドコモやソフトバンク、KDDIの三大通信キャリアもファーウェイとZTEからの通信設備使用を禁止すると報じられている。

 こうした中、ファーウェイ幹部がスパイ容疑で逮捕されたポーランドでは、ブルジンスキー内務相が、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、ファーウェイを市場から排除することの検討を呼び掛けた。チェコも昨年12月、内閣職員によるファーウェイ製品使用を禁止しており、世界的なファーウェイ排除の動きはますます広がりを見せている。