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台北市動物園のコアラ、「薬湯」でお肌の悩み解消


ニュース 社会 作成日:2019年1月15日_記事番号:T00081507

台北市動物園のコアラ、「薬湯」でお肌の悩み解消

 台北市立動物園で飼育されている若いメスのコアラ「ニコラ」は敏感な体質で、フケが出やすいという悩みを抱えていた。大量のフケで体毛が絡まって塊となり、そこにカビなどの菌が増える恐れがあることから、同園ではニコラの美容大作戦に着手した。

/date/2019/01/15/18kakomi_2.jpgバケツで入浴するニコル。入浴すると元気になるという(台北市立動物園リリースより)

 まず、ニコラの飼育係が専属の「美容師」となり、毎日朝と夜に体毛をブラシで解いてやった上、獣医が処方した薬を飲ませた。しかし、それでもフケが収まらなかったため、月に2回、バケツを使ってニコラを「薬湯」に入浴させることにした。

 コアラの体毛は太くて密集しているため、ニコラの入浴は想像以上に大変な作業だった。動物園によると、入浴の際はまず飼育員が医薬品を含んだ液体でニコラの全身を15~20分をかけてマッサージ。その後、バケツの中で入浴させ、薬品を洗い流すが、その湯の温度が重要で、熱過ぎたり、冷た過ぎればニコラは嫌がって逃げ出そうとする。ただ、ちょうどよい湯加減で入浴すると気持ちいいらしく、いつまでたってもバケツから出ようとしないとか。

 湯から上がった後は30~40分をかけてドライヤーで体毛を乾かす。飼育員によると、これが最も大変な作業で、ドライヤーの温度が高過ぎると皮膚を傷つける恐れがある上、不快と感じるとニコラが怒って飼育員にかみつくこともあるそうだ。このため、ちょうどいい温度でゆっくりと乾かしてやらなければならず、飼育員は「ニコラの毛を乾かすのは、人間の子供5人を風呂に入れるのと同じくらいの体力と時間が必要」と語った。

 こうした細やかな心遣いと努力を続けたかいあって、ニコラの皮膚は改善されてフケもあまり出なくなり、美しい毛並みを取り戻し、活力も増している。