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南亜科技、19年設備投資5割削減


ニュース 電子 作成日:2019年1月16日_記事番号:T00081508

南亜科技、19年設備投資5割削減

 DRAMの台湾最大手、南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)の李培瑛総経理は15日、今年の設備投資額は約100億台湾元(約350億円)へと前年比5割減少するとの見通しを示した。▽世界景気減速▽米中貿易戦争によるサプライチェーンの生産拠点移転▽インテルのCPU(中央演算処理装置)供給不足──などの要因により、スマートフォン、サーバー、コンシューマーエレクトロニクスの需要が弱まるためと説明した。16日付経済日報などが報じた。

/date/2019/01/16/00nanya_2.jpg李総経理は、上半期の利益は前年同期に及ばないが、赤字にはしないと強調した(15日=中央社)

CPU不足解消、Q3にも

 DRAM需要が急速に冷え込み、南亜科技は昨年通年の設備投資額を204億元へと15%削減していた。今年の設備投資はサムスン電子、SKハイニックス、マイクロン・テクノロジーも下方修正している。

 李総経理は、今年上半期のDRAM市況を悲観しており、第1四半期の契約価格は1割下落、第2四半期の下落幅は予想できないと述べた。

 一方、第3四半期には価格が下げ止まり、DRAM市況が回復すると予想した。需要期入りの他、インテルのCPU供給不足解消、サプライチェーンの生産拠点移転の一段落で、在庫積み増しが再開すると見込む。

 通年ではDRAM市場は安定的に成長するとの見方を示した。スマホはマルチレンズカメラや人工知能(AI)機能の搭載に伴い、DRAM規格向上が必要で、今年のアンドロイドOS(基本ソフト)搭載機種のDRAM容量は10~12ギガバイト(GB)まで増えると見込んでいる。

 なお、市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)傘下のDRAMエクスチェンジが同日発表したレポートによると、第1四半期のDRAM契約価格は20%下落した。DRAMエクスチェンジは、例年より早く昨年第4四半期に需要が縮小し、在庫水準が上昇しためと分析した。

18年売上高、過去最高

 南亜科技の昨年の連結売上高は847億2,200万元で前年比54.3%増加し、過去最高を記録した。純利益は393億6,200万元で、2.3%減少したものの、17年に次ぐ過去2番目に高い水準だった。

 昨年第4四半期の連結売上高は169億5,800万元で、前期比30.4%減、前年同期比1.1%増だった。純利益は79億5,300万元で、前期比38.2%減、前年同期比63.8%減だった。