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TPK「論評せず」、JDIへの出資報道


ニュース 電子 作成日:2019年1月23日_記事番号:T00081662

TPK「論評せず」、JDIへの出資報道

 経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)に対し、台湾のタッチパネル大手、宸鴻科技集団(TPKホールディング)と、中国の政府系ファンド「シルクロード基金」が約30%の出資を行う交渉が大詰めを迎えていると米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報道したことに対し、TPKは22日、ノーコメントとした。業界関係者は、JDIへの出資はアップル新機種の受注、米中貿易戦争など複雑な要素に関係する上、金額も大きいため、情報の真偽を観察する必要があると指摘した。23日付経済日報が報じた。

 特にTPKは、設備投資額を昨年の75億台湾元(約265億円)から今年50億元に削減しており、現在の帳簿上の現金は約4億米ドルのため、WSJで報じられた600億円(約5億5,000万米ドル)またはそれ以上の規模の出資案件に参画するのかは何とも言えない。

 JDIはアップルのスマートフォンiPhone向けに液晶パネルを、TPKはタッチパネルモジュールを供給している。仮に出資が実現した場合、TPKはiPhone向けの受注が拡大し、業成控股(ゼネラル・インターフェース・ソリューション・ホールディング、GIS)との競争で有利になるとみられる。JDIは有機EL(OLED)への参入も計画しているため、TPKは有機ELへの布石も打てる。

 ただ、中国による海外ハイテク企業の買収に神経を尖らせる米国政府の意向によって、出資は実現しない可能性もある。

 さらに、JDIに対する出資観測は、昨年12月は「中国・欧菲科技(Oフィルムテック)とシルクロード基金が出資」と報じられたのに、今月は「TPKとシルクロード基金」に入れ替わっており、情報の確実性に目を凝らす必要がある。