ニュース 社会 作成日:2019年1月24日_記事番号:T00081710
科技部はこのほど、1984年より推進されてきた「台湾社会変遷基本調査計画」に関する成果を発表した。累計12万5,000人以上にインタビューを実施した過去34年間の記録により、その間、台湾人の結婚観、家庭観において大きく変化した点、ほとんど変化していない点が浮き彫りとなった。
「台湾社会変遷基本調査計画」は、科技部の前身に当たる行政院国家科学委員会の資金援助を受けてスタートしたプロジェクトで、台湾全土の戸籍資料から無作為に選出した18歳以上の市民に対するインタビュー調査を定期的に実施し、台湾社会における価値観の変遷を長期的に分析するものだ。
同調査の結婚や家庭関連の資料を見ると、「夫婦は合わなければ離婚すべき」との回答率は、84年にはわずか11%だったが、2015年には61%と5.5倍に増えた。
これについて女性の権利保護団体「婦女新知協会」の秦季芳秘書長は、かつて台湾社会で結婚は女性にとって人生そのもので、離婚すれば「人生に失敗した」と考えられたと指摘。しかし、現代の女性が経済的に自立したことで、不幸な結婚生活を無理に維持することを望まないケースが増え、離婚にそれほどマイナスイメージが持たれなくなったという。これを裏付けるかのように、台湾における離婚率は92年の1.14%から17年には5.62%まで拡大している。
また調査で「結婚後は夫の実家に住むべき」との回答率は90年の54%から15年には27%へ半減した。秦秘書長は、かつて民法には「妻は夫の居住地を住所とする」との条文が存在したが、男女平等に反するとして20年前に改正されたことや、女性の経済力向上に伴い、夫婦間で相談して決めるケースが増えたと分析した。
ただ一方で、「跡取りを残すため、夫婦に少なくとも1人は息子をもうけるべき」との回答率は16年時点でも76.54%と高水準を維持しており、男の子を重視する傾向が根強いことが分かった。秦秘書長によると、男の子を産んだ家庭の方が財産分与で有利な立場になるという実際的な状況を反映しており、依然として社会には男女間の不平等が存在すると指摘した。
こうしてみると価値観の変化の背景は、やはり「カネ」の問題が大きく関わっているようだ。
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