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記事番号:T00081765
2019年1月29日15:52

 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は28日、製造に使用した化学材料の品質不良のため、シリコンウエハー1万枚以上が影響を受けたと明らかにした。業界関係者は、仮に全数廃棄となった場合、損失は6,000万米ドルを超えるとみている。設備の洗浄作業などによる生産ラインの一時停止で、顧客への出荷が遅延する見通しだ。29日付工商時報などが報じた。

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 設備業界の観測によると、TSMCは先週、南部科学工業園区(南科)12インチウエハー工場「Fab14B」の16、12ナノメートル製造プロセスで、歩留まり率が急低下した。主な顧客は▽聯発科技(メディアテック)▽深圳市海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)▽エヌビディア▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)──など。

 TSMC広報担当の孫又文・企業訊息処資深処長は、影響を取りまとめてから、顧客に対し原因と今後の対応を説明すると述べた。また、第1四半期は設備利用率がもともと低いため、稼働率を引き上げて追加生産を行うことで、影響を最小限に抑えると説明した。ひとまず第1四半期の業績見通しは修正しない。

 問題の化学材料は、半導体製造で極めて重要なフォトレジスト液とみられている。複数の顧客は、ウエハー廃棄か低い歩留まり率での納品かなど、TSMCと協議中だと説明した。非需要期とはいえ、半導体の出荷遅延で最終製品にも影響が出るとの見方を示した。

 この化学材料はメーカーの検査合格証明が添えられていたが、製造に使用後、光学式検査装置で歩留まり率が低く、品質不良が判明した。TSMCは問題の化学材料のメーカー名を公表していないが、観測によると米ダウ・デュポンとみられている。TSMCは、損失補償を求める方針だ。

 TSMCは第1四半期末までの遅延解消を目指すが、一部出荷は第2四半期にずれ込む可能性がある。

新経営陣、2度目のトラブル

 工商時報は、TSMCはサプライヤーを信頼し過ぎて、自社の検査体制がおろそかになったと指摘した。今後は全ての原材料に対する2次検査を検討する他、サプライヤーに対する要求を厳格化するべきで、コスト削減のためにサプライヤーの選定を見誤れば、同様の事態を招くと警告した。

 TSMCは昨年6月に創業者の張忠謀(モリス・チャン)氏が退任し、劉徳音(マーク・リュウ)董事長と魏哲家総裁のツートップ体制に移行した。その後、昨年8月、コンピューターウイルス感染で生産が一時停止し、損失は25億9,600万台湾元(約90億円)に上った。

【表】

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