風力発電の買い取り価格5.5元、経済部が大幅譲歩


ニュース 公益 2019年1月31日

風力発電の買い取り価格5.5元、経済部が大幅譲歩

記事番号:T00081820

 経済部は30日、2019年度の洋上(オフショア)風力発電の電力買い取り価格(20年間固定)を、1キロワット時(kWh)当たり5.516台湾元(約19.56円)とする最終決定を発表した。前年度からの引き下げ幅は5.71%で、当初案の12.71%を半分以下に削減した。風力発電産業の振興に向けてスタート段階で失敗できないとの認識から、経済部が投資撤回をも含めて抗議していた外資企業に対し、大幅な譲歩を行った形だ。31日付工商時報などが報じた。

/date/2019/01/31/00top_2.jpg買い取り価格の引き下げ幅削減を発表する曽文生経済部次長(中)ら。外資企業に対し、台湾投資を継続するよう呼び掛けた(30日=中央社)

 買い取り価格は、20年間の前半10年を6.2795元とし、後半10年を4.1422元とする段階方式も選択できる。段階方式は当初は廃止を予告していたが、存続させた上で、前半と後半の価格の差異を「7対3」から「6対4」に改めた。開発事業者の財務計画に配慮するとともに、金融機関によるプロジェクト融資を受けやすくする狙いがある。

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 当初案では3,600時間としていた買い取り上限時間も4,200時間に緩和した。4,200時間を超えた場合、4,500時間までの分は買い取り価格を25%引きの4.137元とし、4,500時間を上回った分は50%引きの2.758元とする。

 この問題では、デンマークのエルステッドなどが投資撤回も含めて反発していたため、政府は当初、滑り込みで昨年度の買い取り価格を適用することを目指したが、地元自治体である彰化県政府が再審査への同意書を提出しなかったため失敗した。このため経済部能源局(エネルギー局)の林全能局長は、彰化県政府が「当県の職責とは無関係」とした返書の法的有効性の確認が取れ次第、早ければ春節(旧正月、今年は2月5日)前に、エルステッド、コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)、海龍風電、中国鋼鉄(CSC)の風力発電事業者4社に対し、事業所6カ所での設備設置許可を与えると表明し、外資引き留めに強い意欲を見せた。

CIP・wpdは評価

 経済部の譲歩に対しエルステッド・グローバル洋上風力発電事業のマーティン・ヌーベルCEO(最高経営責任者)は31日、今後「大彰化東南」と「大彰化西南」の風力発電所計画への評価、台湾サプライヤーとの契約、設置許可の取得、地元業界との関係性計画の策定、電力購入・販売契約の締結など、重要な過程をこなすことを、前提に投資の最終判断を下すと表明した。

 ヌーベルCEOは、電力買い取りへの時間上限設定によってマイナスの影響が生じる上、「大彰化東南」と「大彰化西南」は陸地から遠く不利だと引き続き不満を述べた。

 一方、CIPは許乃文台湾地区総監が「前年度からの6%近い削減は理想的ではないが、ようやくコスト構造と計算できるようになった。当社は投資の削減や撤退はしない」と表明した。

 達徳能源集団(wpd台湾)の王雲怡董事長は、電力買い取り価格の引き上げ決定を評価。桃園市沖の観音風力発電所で予定通り21年の発電開始を目指す考えを表明した。

 本部がカナダと欧州にある海龍風電は、台湾代表が政府の配慮を評価しつつも、「当初見積もりとは依然落差があるため、本部と改めて財務モデルを検討したい」と語った。

 なお、経済部の決定に対しては、清華大学の范建得教授が「欧州事業者の信用を失わず、洋上風力発電のサプライチェーン本土化を遂行できる賢明な決定」と指摘するなど、産学界からは評価する声が主に上がった。ただ、買い取り上限時間緩和によって、20年間で発電コストが10%以上上昇し、電力価格に跳ね返るといった懸念の声も出ている。

太陽光発電も見直し

 経済部は同時に陸上風力発電と太陽光発電の今年度の電力買い取り価格も発表した。

 陸上風力発電は発電能力1~30キロワット(kW)級が1kWh当たり7.8759元、大型の場合2.5438元とした。

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 太陽光発電は地面設置型で上半期は1kWh当たり4.1094元で前期(18年下半期)比4.3%削減、下半期は4.0379元で1.7%の削減とした。地面型で高圧電源設備を備えている場合は上半期4.556元を維持、下半期4.4846元で前期比1.57%の削減となる。

【表】