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記事番号:T00081894
2019年2月12日15:36

 フレキシブルプリント基板(FPC)大手、嘉聯益科技(キャリア・テクノロジー)が、従業員全体の16%以上に当たる434人を解雇することが明らかになった。アップルのiPhoneの販売不振の直撃を受けた。今回の業界景気の減速局面で、台湾プリント基板(PCB)メーカーが大規模な人員削減を行うのは初めてだ。12日付経済日報などが報じた。

/date/2019/02/12/00top_2.jpg観音工場。iPhone新機種の販売動向の読み誤りによって、設備投資が無駄になった格好だ(11日=中央社)

 削減対象となるのは観音工場(桃園市)の従業員で、同工場の従業員数は659人から一挙に3分の1に減少する。同工場は設備面でアップルの支援を受け、昨年7月から主に同社向けにFPCアンテナの生産を開始したばかり。解雇は21日に行う予定で、春節(旧正月、今年は2月)前に人員削減観測が伝えられた際は「20~30人」との説明だったが、その十倍以上の規模に上ることになった。

 桃園市労働局は、同社から解雇計画の事前届け出はなかったと指摘した。「大量解僱労工保護法」によると、従業員数500人以上の事業所において、60日間に従業員の5分の1、または1日に80人以上の解雇を行う場合は60日前に主管機関に大量解雇計画書の提出が必要となる。違反した場合、10万~50万台湾元(約36万~180万円)の罰金が科される。

今年の業績減退か

 嘉聯益は、観音工場は閉鎖せず、主要顧客向けに開発・生産を続けると説明した。第5世代移動通信(5G)の商用サービス開始を前に、今年下半期に需要は回復するとの見通しも示した。

 ただ、業界関係者は、同社は今年、主力の液晶ポリマー(LCP)関連FPCの受注が減少し、変性ポリイミド(MPI)のスマートフォン向け受注も見込めず、業績は下り坂を迎えると予想している。今年発売される次期iPhoneのアンテナはLCPからMPIに変更されるとの観測も出ており、経済日報は、アップルの単一機種向けの受注への過度の依存は部品メーカーにとってリスクと指摘した。

ZDT、工場取得否定

 観音工場は、鴻海精密工業傘下のPCB最大手、臻鼎科技控股(ZDT)が取得するとの観測が一部で出ているが、同社は否定した。

 蘋果日報によると、嘉聯益は世界10位以内のFPCメーカーで、▽スマホ▽装着型(ウエアラブル)端末▽タッチパネル▽タブレット端末▽ノートパソコン▽バーチャルリアリティー(VR)製品▽デジタルカメラ▽衛星航法装置▽カーエレクトロニクス▽医療機器──向けなどを手掛ける。昨年通年の連結売上高は155億2,000万元と、前年比約2割増加した。

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