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元結合双生児の男性が死去、35年前に分離手術で話題


ニュース 社会 作成日:2019年2月12日_記事番号:T00081918

元結合双生児の男性が死去、35年前に分離手術で話題

 1976年に腹部から下を共有する結合双生児として誕生し、79年にアジア初の分離手術に成功して注目を集めた兄弟のうち、兄の張忠仁さんが今月1日、脳幹出血のため台湾大学医学院附設医院(台大医院、台北市)で死去した。42歳だった。残された弟の忠義さんは「突然のことで気持ちが整理できない」と声を詰まらせた。

/date/2019/02/12/18kakomi_2.jpg忠仁さんは生前、死後は弟の忠義さんに講演活動を引き継いでほしいとの希望を語っていた(張忠仁さんフェイスブックより)

 忠仁さんと忠義さんは42年前、腰の部分でつながり、足が3本しかない状態で誕生。台中市の病院で観察が続けられたが、そのままでは死亡する可能性が高いと判断され、2歳半になった79年に台大医院で分離手術が実施された。その模様はテレビ局3局によって中継され、台湾中が成功を祈ったという。

 当時は「手術が成功すれば、2人は20歳まで生きられる」と医師は説明したが、片足でつえの必要な生活を余儀なくされ、骨や内臓に問題を抱えながらも、忠仁さんは台北市環境保護局(環保局)の清掃員、忠義さんは贈答品店の店員として働きつつ40歳を迎え、突発的な出来事がなければ寿命は一般人と変わらないとみられていた。

 そんな忠仁さんが1月31日夕方、職場で車椅子に座ったまま口から泡を吹いて意識を失っているところを同僚に発見された。台大医院に救急搬送され、救命措置が施されたが、脳幹出血により今月1日未明に息を引き取った。

 台湾大学の元学長で2人の世話人を務めてきた陳維昭医師は、数カ月前に忠仁さんと会った際、彼から「最近、よく頭が痛くなる」と聞かされたが、検査では異常は発見されなかったという。突然の脳幹出血については、ここ数年、たびたび講演を行うなど公益活動に熱心に取り組んでおり、疲れがたまっていたのではないかとの見方を示した。

 苦労を分かち合ってきた兄を失った忠義さんは、「必ずしっかりと生きていく。私と兄は永遠の命の戦士なのだから」と語った。