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クレーンゲームブーム終焉、利用者減で収益力急低下


ニュース 社会 作成日:2019年2月14日_記事番号:T00081971

クレーンゲームブーム終焉、利用者減で収益力急低下

 台湾では2017年以降、クレーンゲームが大きなブームとなり、無人の店舗内にゲーム機をずらりと並べた店が数多く出現した。しかし参入業者が相次いだことで市場が飽和状態になり、さらにブームが去って利用も減ったことから収益力が急低下している。

 統計によると昨年11月現在、台湾全土で7,206店のクレーンゲームが登録され、同年1~11月の納税額は2億5,000万台湾元(約9億円)と、娯楽税収全体に占める比率が前年の2倍以上の15.1%に拡大した。

 なお、台湾のクレーンゲーム店は、店内に設置したゲーム機を、個人の投資者が店主にレンタル料を支払って借り受け、景品の購入や補充、ゲーム機のアームの強度の設定などを行い、売り上げを得る仕組みとなっている。

 ブームの最中にあった昨年初めは、投資したいと思ってもゲーム機が借りられないほどの状況だった。ある投資者は台北市の都市交通システム(MRT)永春駅近くの店舗で月間5,500元のレンタル料でゲーム機を1台レンタルして運営したところ、月に1万元を超える利益を上げることができたという。

 しかしここ数カ月は目に見えて利用者が減り、1カ月の利益は最悪で500元まで落ち込んでいるため解約を検討している。ただ、店主からレンタル料を4,000元に引き下げるからと慰留され、もう半年続けてみることにしたそうだ。

 また桃園市八徳区で月5,000元でクレーンゲームを借りた投資者も、全盛期は1日に少なくとも200人が利用し、月に2万元を稼ぐことができたが、その後ブームが下火となり、利益が月4,000元まで落ち込んだため、昨年末で解約した。

 台北市の士林夜市(士林区)、臨江街観光夜市(通化街夜市、大安区)、新北市の淡水老街(淡水区)など北部の繁華街に開設されたクレーンゲームの多くは同様の状況で、インターネット上にはゲーム機の借り手募集広告が大量に出回っている。

 台中市でもクレーンゲーム店の数は昨年初めの618店から11月には1,162店まで急増し、市場規模も4,600万元から1億元へと成長したが、やはりブームは下火となっており、投資者の売り上げはピーク時に比べ30%も落ち込んでいるそうだ。

 流行の移り変わりが早い台湾を象徴した現象と言えるだろう。