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記事番号:T00081974
2019年2月15日15:42

 中華航空(チャイナエアライン)の操縦士(パイロット)による7日間にわたるストライキが14日夜、収束した。通常運航を順次再開する。中華航空の経営、管理能力不足が春節(旧正月)連休期間の突然のストを招き、214便が欠航、延べ2万5,000人がしわ寄せを受けた。15日付聯合報などが報じた。

/date/2019/02/15/00chinaairlines_2.jpg中華航空の謝世謙総経理(左)と桃園市機師職業公会の李信燕理事長(右)が14日午後10時25分に署名を取り交わし、160時間に及ぶストが終結した(14日=中央社)

 労働部は同日夜、労働組合の要求5項目が合意に達し、今後3年半はストを実施せず、労働争議は調停、仲裁で解決すると説明した。

 ストは8日午前6時に始まり、中華航空パイロットの約半分に当たる622人が参加した。ただ、春節連休の終了後、パイロットが徐々にストから離れ、14日夜時点で121人が職務に戻っていた。

 パイロットらは、「労組の船」が沈みかけ、職務に戻るよう上司より強く促されており、スト参加中の減給やリストラ候補になることを考えると、早くストが収束してほしかったなどと漏らした。

売上高5億元が喪失

 交渉は労使が相互に譲歩して妥結に至った。計4回33時間の労使協議で合意に達した5項目は、▽飛行時間8時間以上はパイロット3人体制、12時間以上は4人体制。飛行時間自体は短いが乗務のための勤務時間が長い一部路線は増員か現地宿泊▽台湾籍パイロットの優先雇用▽労組加入者に対する不利益取り扱い禁止▽労使争議解決のための意思疎通の改善▽飛行安全手当支給(ダブルペイ支給から変更)について2月21日に詳細を協議──。

 中華航空の試算によると、8~14日のストで失った売上高は約5億台湾元(約18億円)。15~20日の一部欠航で9,900万元が上乗せされる見込みだ。今後のコスト増は計算中だが、長距離路線の増員などでコスト1億5,600万元増、飛行安全手当支給で1億2,000万元増が見込まれる。

 2016年6月の中華航空の客室乗務員のストでは、欠航122便で売上高2億8,000万元が失われ、労組の要求を受けた待遇改善などを合わせると支出は10億元だった。

民営化望む従業員も

 3年で2回のスト勃発で、中華航空が失った信頼は計り知れない。

 中華航空は民営化すべきとの声に対し、筆頭株主の財団法人航空事業発展基金会(航発会)の王国材董事長(交通部次長)は、考えたこともないと表明した。

 これに対しあるパイロットは、1日数千万元の損失が出ても経営側が労使交渉で強気だったのは、幹部らが自分たちの懐を痛める心配がなく、地位と今後の人事のことしか考えていないからだと批判した。従業員は民営化を望んでおり、専門経営者が経営を担えば、春節ボーナス(年終奨金)ももっと出るはずと語った。

 中華航空と長栄航空(エバー航空)の17年売上高は1,600億元前後でほぼ互角だが、利益は中華航空の13億8,000万元に対し、エバー航空が63億1,000万元と、大きな差が付いている。

 中華航空は、航発会の34.13%をはじめ政府系の出資比率が49.94%に上る。アナリストは、政権交代のたびに董事長や幹部が政権に近い人物に交代するので、長期的な計画を立てられないことが最大の問題だと指摘した。

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