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セクハラ免職の裁判官、年金が半額以下に


ニュース 社会 作成日:2019年2月15日_記事番号:T00081998

セクハラ免職の裁判官、年金が半額以下に

 裁判官や検察官の懲戒案件を審理する司法院職務法廷は、裁判官が女性助手にセクハラ行為を働いたとして2016年に免職処分を受けたものの、その後の再審で免職が取り消された案件について、「身内をかばう判決だ」といった批判が噴出する中、再度審理が進められ、14日に改めて免職処分が下された。

 台湾高等行政法院の元裁判官、陳鴻斌氏(64)は、女性の助手に対し、抱き付いたり、キスを迫るといった行為を働いたとして、16年に職務法廷から裁判官免職の処分を言い渡されていた。

 その後、裁判官評鑑委員会の委員が、重要な証拠が考慮されていないとして再審を請求。これが認められ、改めて審理が行われた結果、職務法廷は18年3月、陳氏の行為は、職場での不倫関係が破局した後、元交際相手に付きまとったもので、セクハラのレベルには至っていないとして免職処分を破棄し、罰金処分に変更する判決を下した。

 その結果、陳氏には元裁判官としての年収1年分約216万台湾元(約770万円)が罰金として科されたが、裁判官の資格を失わずに退職したことになり、月18万元の退職金が受け取れることとなった。

 これに対し世論の反発が強まる中、裁判官を監督する立場にある監察院は、職務法廷裁判長の人選が法律に違反しているなどと指摘し、再再審を要求。これが認められ、裁判長を変更して審理が行われた結果、陳氏は裁判官だった12年11月~14年6月にかけて助手にセクハラを行ったと判断され、免職処分が確定した。

 この結果、陳氏が受け取る毎月の退職金は8万2,000元と半分以下に減額されることとなった。