華碩電脳(ASUS)の第1四半期の台湾市場でのノート型パソコン(ノートPC)出荷シェアが47%に達し、ライバル宏碁(エイサー)に2倍以上の大差をつけた。市場調査機関IDCの調べで、人気の低価格ノート、Eee PCをノートPCの統計に含めるようになったことが要因。エイサーの今後の巻き返しは、6月初旬に発表した同カテゴリーの「Aspire One」が、どの程度売れるかにかかっていそうだ。17日付蘋果日報などが報じた。
IDCの16日の発表によると、華碩の第1四半期のノートPC出荷台数は9万9,377台、市場シェアは47%で過去最高を記録した。2位のエイサーは4万7,102台でシェア22%だった。
IDCは今年5月、10インチ型以下の簡易PCもノートPC全体の統計に算入することを決定。Eee PCが発売された昨年第4四半期にさかのぼって反映した結果、既に同四半期段階で華碩11万10,721台、エイサー5万9,232台と大きな差が開いていた。なお、Eee PCの発売前の昨年第3四半期は、華碩8万5,006台、エイサー8万2,616台で、その差はわずか2,500台程度と拮抗(きっこう)していた。
エイサーは6月下旬に「Aspire One」のリナックスOS版8.9インチ型を、7月にウインドウズXP版を発売する計画だ。同社の林顕郎台湾区総経理は、「華碩のシェア47%という高い数値は二度と生まれない」とした上で、同社はシェア33~35%を狙い、華碩を抜いて首位を目指すと語った。
台湾市場は低価格ノートの試金石
IDCは、台湾市場は低価格ノートが相次いで発売され、世界市場で同製品がどのくらい受け入れられるかの試金石の役割を果たしていると指摘。また、低価格ノートは特定の消費者層の心を十分につかんでいると分析した。
このほか、ヒューレット・パッカード(HP)やエイサーなどの国際ブランド大手も低価格PC市場に参入を進めており、今後は市場の奪い合いで製品サイクルの短縮化や、販売メーカーの利益減などの問題が顕在化するとの見方を示した。
ノートPC出荷、前年比42%増
第1四半期の台湾市場全体のノートPC出荷台数は、前期比17%減の21万2,287台だった。前年同期比では42%もの大幅成長で、低価格ノートPCの発売や、デスクトップ型PCユーザーのノートPCへの乗り換えが理由とみられる。華碩、エイサーに次ぐシェア3位はヒューレット・パッカード(HP)、4位は聯想集団(レノボ)だった。
デスクトップ型PCの出荷台数は、前期比20%減の34万6,102台だった。シェアは、エイサー、華碩、HP、レノボの順だった。
第2四半期はオフシーズンのため、出荷台数は依然控えめなものになるとIDCは予測している。