ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

オーバイク、長期間放置でごみ同然に


ニュース 社会 作成日:2019年2月19日_記事番号:T00082049

オーバイク、長期間放置でごみ同然に

 シンガポール発の乗り捨て方式レンタサイクルサービス「oBike(オーバイク)」は、2年前に台湾でサービスの提供を開始した当初こそ人気を集めたものの、その後、歩道への違法駐車やバイク駐輪スペースの占拠といったトラブルが各地で多発。イメージの悪化も手伝って利用者が激減し、現在では使われなくなって街角に放置され、ごみ同然となった車両も散見される。

/date/2019/02/19/18kakomi_2.jpgオーバイクは街の秩序を一切考慮しなかったことが、市民に受け入れられなかった最大の理由だ(オーバイクフェイスブックより)

 専用の駐輪設備を持たず、アプリを通じてどこでも借りられ、どこでも乗り捨てられるメリットをアピールしていたオーバイクは、2017年4月に台湾に進出。当時は大きな話題を呼び、柯文哲台北市長が、台湾発の公共レンタサイクル「YouBike(ユーバイク、微笑単車)」が消滅すると発言するほどの危機感を抱かせた。

 しかし、当初から公営の駐輪場がオーバイクによって占拠され、他の自転車やバイクが置けないといった苦情が相次いだほか、歩道への違法駐車、川や山中への車両廃棄もみられるなど問題が指摘されていた。新北市ではバイク駐輪スペースへの駐輪が禁止されるなど、多くの県市で規制や取り締まりが強化された。

 さらに昨年、シンガポール親会社の経営者が交代。同国でのサービスを終了したほか、台湾でのサービス運営にも消極的となり、利用者が激減。新北市などでは半年以上、放置されたままとなり、さびが発生した車両も報告されている。

 新北市交通局によると、オーバイク運営会社はサービス用に投入した車両の数を公表していないが、これまでに違法駐車などで検挙され、レッカー移動された車両は累計約8,800台となっていることから、同市内に投入された車両はピーク時で1万台に達したとみられる。しかし、現在では1,000台程度に減少。また昨年以降、運営会社はレッカー移動された車両の引き取りを行っておらず、500台以上が保管されたままとなっているそうだ。

 台北市でも一時はオーバイク8,000台が投入されたが、運営会社は現在では新規投入はせず、車両の回収のみを行っており、1,000台余りに減少している。

 また、オーバイクのスマートフォンアプリは現在も使用可能だが、ダウンロードサイトからは撤去されており、利用者を増やす考えはないようで、台湾からオーバイクが姿を消す日も遠くなさそうだ。