ニュース 政治 作成日:2019年2月20日_記事番号:T00082050
蔡英文総統は18日、来年1月の総統選挙に再選を目指して出馬する考えを米CNNのインタビューで明言した。ただ、施政への低評価によって人気が低迷した状況は変わっておらず、再選は容易ではないとみられている。20日聯合報などが報じた。
中台関係の悪化で批判を受ける蔡総統だが、中国の動向と国民党の選挙戦略によっては、追い風が吹く可能性もある(19日=中央社)
民進党は昨年の統一地方選挙で惨敗を喫したが、蔡総統は、敗因は中台関係ではなく、年金改革など困難な改革に着手して反発を受けたためとの見方を示しつつ、引き続き国家のために尽力したいと表明した。蔡総統は敗戦後、有権者とのコミュニケーションを積極化して、リーダーシップを改善。台湾統一を強く呼び掛けた習近平・中国国家主席の年頭の談話に断固拒否の姿勢を示したことで、支持率は最悪の状況からは持ち直し、大敗後の厳しい風当たりは収まっている。
4月に候補確定
民進党関係者は、再選表明は、蔡総統を公認候補に選出することで党内の共通認識ができていることの表れで、自身への支持で党内世論を早めに統一したい蔡総統の意向が反映されていると指摘した。統一地方選の大敗後も、党内で蔡総統への挑戦を企図した人物はなかったという。
民進党は立法委員の補欠選挙後の4月中旬には公認候補を確定する予定だ。しかし、同党のある立法委員は、蔡総統は中台関係、年金改革の犠牲になった軍人・公務員・教員(軍公教)の反発、労働・エネルギー政策への批判など、多くの困難を抱えていると指摘した。中台関係では、中国が圧力を強化し、台湾人を利益で吸収する動きを強めると予想した。
なお、20日付聯合報は、民進党は中台関係が依然として課題であり、さもなければ統一地方選挙で壊滅的な敗北を喫することはなかったとして、蔡総統の認識に疑問を投げ掛けた。
三つ巴なら3位
蔡総統は人気面で依然厳しい状況だ。蘋果日報がこのほど行った世論調査によると、蔡総統は、柯市長と朱立倫国民党元主席(前新北市長)と三つ巴(どもえ)になった場合は3位、柯市長が出馬を見送り国民党候補との一騎打ちとなった場合は国民党候補に負け、しかも民進党はあらゆるケースで頼清徳前行政院長を擁立した方が高い支持率を得られるとの結果となった。
ちなみに国民党は韓国瑜高雄市長の人気が最も高く、蔡総統、柯市長、韓市長の3者で争った場合、支持率は「22.0%、28.6%、35.1%」と韓市長が他の2人をリードする。ただ韓市長は就任からまだ日が浅く、何ら実績を挙げていないため、識者から「出馬に正当性がない」との指摘が出ており、本人も不出馬を明言している。
一方、柯市長は朱元主席をも上回る支持率を得ており、その動向が総統選における最大の変数となる状況に変化はない。春節(旧正月)連休は中南部を訪問、中台関係に関する発言を繰り返し、来月には訪米を予定するなど総統選への出馬を視野に入れたと取れる動きを展開している。民進党関係者は、台北市長退任後は影響力や注目度が低下するため、出馬するのであれば2024年ではなく来年とみて警戒を強めている。
現在の状況について民進党の林濁水元立法委員は、蔡総統は人気が低過ぎ、再選への道のりは困難なものになると予想した。蔡総統は今年半ばまでに支持率上昇を図ることが必須で、本来ならば他の有力者に公認候補を譲るべきとの見解だ。
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