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女子大生がバスにひかれ死亡、車窓支柱が死角に?


ニュース 社会 作成日:2019年2月21日_記事番号:T00082102

女子大生がバスにひかれ死亡、車窓支柱が死角に?

 台北市士林区の山腹に位置する中国文化大学近くの道路で19日、同大に通う女子大生の張恒綿さん(20)が交差点の横断歩道を渡っていた際、突然現れたバスにひかれ、死亡した。「A柱」と呼ばれるバスのフロントガラス両脇に設置された支柱により死角が生じ、運転手から張さんの姿が見えなかった可能性がある。

 警察が押収したバスのドライブレコーダーの映像や目撃者の証言によると、中国文化大学の運動・健康促進学系で学ぶ大学2年生の張さんは19日午後4時ごろ、授業を終えて下校しようと近くの道路脇を歩いていた。そして愛富二街の交差点でいったん立ち止まり、周囲を確認した上で横断歩道を渡り始め、3分の1ほど通過したその時、突然、後方左側から右折してきたバスが彼女に追突。路面にたたきつけられた張さんは、何とか立ち上がって避けようとしたが、そのままバスの下敷きとなった。

 その後、彼女は救急車で病院に運ばれたが、バスのタイヤで胸部と腹部を強く圧迫されたことを原因とする重傷で、同日午後6時ごろに死亡が確認された。

 事故を起こしたバスの運転手(62)は取り調べに対し、「横断歩道の張さんは見えなかった。彼女にぶつかった後も乗客に言われてようやく気付き、驚いた」と供述。検察は運転手の行為が業務上過失致死罪に当たるとの判断を示した。

 今回の事故について20年以上のキャリアを持つベテランのバス運転手は、大型車の場合、バックミラーだけを頼りに車両両側の状況を判断することになるが、カーブを曲がる際は「A柱」が死角となるため、スピードを落とし、体を前後に動かして慎重に確認する必要があると指摘した。しかし運転手の中には、時間を優先してこうした手順を怠る者もいるという。

 なお張さんはプロテニスプレーヤー、謝政鵬選手(27)の恋人だった。現在、フランスで開催中の大会に参加している謝選手は訃報を知った後の20日も試合(ダブルス)に出場。悲しみを胸に勝利を収め、ベスト8進出を決めた。

 改善されたつつあるとはいえ、まだまだ「車優先社会」の台湾。道路を横断する際は十分にご注意を。