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士林夜市のぼったくり果物、取り締まり強化で2店撤退


ニュース 社会 作成日:2019年2月22日_記事番号:T00082126

士林夜市のぼったくり果物、取り締まり強化で2店撤退

 台湾の人気夜市(ナイトマーケット)なら、さまざまなフルーツをその場でカットして客に提供する屋台をどこでも見掛けるが、台北市の士林夜市では、相場に不案内な海外からの観光客が多いためか、他の夜市に比べ大幅に割高な価格設定となっており、客とトラブルになることも多いようだ。台北市政府は昨年より、ぼったくり行為を懸念して取り締まりを強化。そのあまりの厳しさに2軒の屋台が撤退を決め、市民から「よくやった」と評価する声が上がっている。

 台北市政府市場処の楊忠誠科長によると、士林夜市のカットフルーツは価格が確かに高く、他の夜市に比べ7~8倍、一般小売店の2~3倍の値段で売られている。楊科長は、中程度の等級のマンゴーの場合、卸売価格は1キログラム当たり60台湾元(約220円)だが、士林の屋台ではキログラムを「台斤(600グラム)」入れ替えていると指摘。事実上1.6倍の価格で販売されていることを意味し、しかも計量するのは皮や種を取り除く前のため、実際に受け取る果物の重さは半分に目減りするという。

 こうした中、一部の台湾人消費者が、海外からの観光客が不当に高い価格でフルーツを売り付けられていることに義憤を感じ、市場処にたびたび通報を行った。これを受けて同処は、昨年1月からの1年間で延べ834軒のフルーツ屋台を調査し、営業許可の未取得やごみの廃棄などを理由に147件の罰金処分を下した。

 士林夜市商圏では公設市場内に10軒、市場外に9軒のフルーツ屋台が営業していたが、度重なる罰金処分を受けて2軒が撤退した。市場処ではぼったくりの撲滅を目指し、今後も取り締まりを続ける方針だ。

 なお、高雄市の六合夜市や屏東県の墾丁大街夜市でも、ぼったくり行為をした屋台は夜市の管理委員会によって撤退させられている。海外からせっかく台湾を訪れた観光客が不愉快な思いをしないよう、これからも行政と地元で力を合わせて悪徳屋台の追放を続けてほしいものだ。