ニュース 社会 作成日:2019年2月23日_記事番号:T00082153
雪山山脈の雪山と大覇尖山を中心とし、新竹県、苗栗県、台中市にまたがる雪覇国家公園内で今月初めに山火事が発生したが、このほど行われた火災現場の調査の結果、焼け跡からペットボトルや寝袋、鍋など登山者が捨てたとみられるごみが大量に発見された。
山火事ではげ山となった雪覇国家公園(22日=中央社)
今月3日深夜、雪山の主峰へ向かう際に必ず経由する山小屋「三六九山荘」近くの登山道周辺で山火事が発生。ヘリコプターからの放水により、約16時間後に火は消し止められたが、山林や竹やぶが約3.5ヘクタールにわたり消失した。出火原因は登山客の火の不始末とみられる。
その後、山岳ボランティアによる火災現場の調査が行われたが、現場からはペットボトルなどのプラスチック製品のほか、▽洗面器▽ガラス瓶▽卵の殻▽寝袋▽ガス缶▽鍋──など、登山者や山小屋へ物資を運ぶ業者が荷物を軽くしようと捨てていったとみられるごみが大量に見つかった。
雪覇国家公園管理処の鄭瑞昌副処長によると、回収されたごみの量は麻袋260袋分にも上ったそうで、今月28日からの4連休中にボランティアを動員し、分類した上で下界に搬送するほか、登山客にも協力を求める予定だ。
なお「三六九山荘」は来年、建て替えが予定されているが、再建後は食事の提供を可能にし、登山者が山中で自炊することによる火災リスクの低減や廃棄される食材ごみの抑制を目指す。
台湾の登山界では十数年前より、アウトドア活動で「自然に何も残さず、何も持ち帰らない」ことを原則とする「Leave No Trace、LNT」運動が推進されてきたが、今回、大量のごみが発見されたことで、こうした考えが十分に浸透していない状況が明らかとなった。
なお台湾の最高峰、玉山周辺では昨年、野生のキエリテンが食材ごみをあさったり、台湾黒熊(ツキノワグマ)が山小屋に侵入して食材を食べるという出来事が発生。生態学者は、動物が自ら獲物を捕食する能力が失われる恐れがある他、人間用の高脂肪で塩分や糖分が多く含まれた食料を口にすれば、寿命が短くなる可能性があると警告している。
これからも豊かな自然を満喫したいのであれば、登山客はもっと自制心を高める必要がありそうだ。
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