ニュース 電子 作成日:2019年2月25日_記事番号:T00082154
25日付経済日報によると、シリコンウエハー大手の台塑勝高科技(フォルモサ・サムコ・テクノロジー、台勝科、FST)が、12インチウエハーの第2四半期価格の引き下げを決めたもようだ。半導体景気の悪化による需要減退に対応した措置で、業界企業によるウエハー値下げは2年ぶりだ。今後、同業他社が追随するかが注目される。
台勝科は、同製品の価格を1枚当たり95~98米ドルへと、6~10%引き下げるもようだ。昨年下半期以降の半導体景気の冷え込み、とりわけメモリー需要の急減を反映したようだ。業界首位の信越化学工業やSUMCOも、ファウンドリー各社から値下げを要求されているという。
シリコンウエハーのスポット価格は、既に昨年第4四半期から下落していた。スマートフォンの販売不振に加え、今年第1四半期にかけてはデータセンターなどサーバー向け需要も急落、サプライチェーンでは半導体の在庫水準が高まり、メモリーとロジックICの市況は悪化した。こうした中、メモリー大手は需要を悲観して生産拡大を見合わせ、価格下落圧力が高まっていた。
1月の北米向け半導体設備販売額は、18億9,000万米ドルと前月比10.5%減少した。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は、今年の世界の半導体設備需要は前年比9%減退すると予測。世界経済の減速、米中貿易戦争による先行き不透明感などで、半導体の在庫調整は今年いっぱい続くとみている。
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、今年の世界の半導体需要は、メモリーを含まない場合で1%の微増にとどまり、メモリーを含めると前年を下回ると予測している。
在庫調整、短期収束も
一方、シリコンウエハー世界3位の環球晶円(グローバルウェーハズ、GWC)は、一部の顧客は調達を延期しているものの、半導体在庫の調整は短期で収束するとみており、現時点では価格を引き下げる考えはないと説明した。
メリルリンチやクレディ・スイスは、今年のシリコンウエハーオファー価格は横ばいか小幅下落にとどまるとみている。
アナリストは、1月にTSMCで発生した化学品のフォトレジスト液品質不良によるシリコンウエハー大量廃棄や、今月21日に北海道で起きた最大震度6弱の地震で近隣のSUMCO千歳工場の生産に影響が出ることが懸念され、シリコンウエハーの在庫調整期間が短縮するとの見通しを示した。
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