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飲酒死亡事故、7割が懲役3年足らず


ニュース 社会 作成日:2019年2月26日_記事番号:T00082202

飲酒死亡事故、7割が懲役3年足らず

 台湾の刑法では飲酒運転により死亡事故を起こした場合、「3年以上、10年以下」の懲役刑が科せられると定められているが、起訴された被告の一審のうち7割以上が3年未満の判決だったというデータが明らかとなり、「裁判官は飲酒運転を軽視している」との批判が高まっている。

/date/2019/02/26/19car_2.jpg時代力量の黄立法委員は、飲酒死亡事故の防止対策はこれ以上先送りできないと訴えた(中央社)

 周春米立法委員(民進党)が司法院のデータを基に、飲酒死亡事故を起こした場合の刑罰が「1年以上、7年以下」から「3年以上、10年以下」に改定された2013年6月から18年末までの一審判決664件を分析した。その結果、▽懲役6月以下、5件▽懲役6月~1年、25件▽懲役1~2年、399件▽懲役2~3年、54件▽懲役3~5年、142件▽懲役5~7年、30件▽懲役7~10年、9件──と、法で定められた量刑を下回るケースが72.7%を占めたことが分かった。

 周立法委員は「驚くべき数値だ。裁判官の判決は立法の趣旨に一致していない」と、裁判の現状を厳しく糾弾した。時代力量の黄国昌立法委員は、飲酒運転の検挙者の2人に1人に再犯の可能性があるとのデータを示し、「司法院は量刑に関する基本的な考えを改めるべき」と批判した。

 一方、司法院の呂太郎秘書長は、飲酒運転の被害者は、賠償金を受け取る方が現実的と考える場合があると指摘。被告への量刑を重くし過ぎると、賠償金を支払う意欲を失う可能性がある場合、裁判官が量刑を軽くし、和解させることもあり得ると説明した。

 ただ、ある裁判官は、多くのケースは中流~貧困層の市民がバイクで飲酒死亡事故を起こし、自首して遺族と和解しているため、量刑が軽くなっていると指摘した。

 林佳龍交通部長は、自動車事故はバイクより被害が深刻なことが多いので、自動車とバイクの飲酒運転で区別するなどの見直しを進める考えを示した。