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「228事件の解明不十分」=蔡英文総統


ニュース 政治 作成日:2019年3月4日_記事番号:T00082248

「228事件の解明不十分」=蔡英文総統

 国民党政府が戦後間もない1947年に台湾住民を弾圧した「228事件」による死傷者については依然として正確な数が判明していないが、同事件から72年目に当たる28日、蔡英文総統は、財団法人「二二八事件紀念基金会」の調査により先ごろ、事件で犠牲となった可能性がありながらこれまで賠償が行われてこなかった400人余りのリストが公表されたことを挙げて、「真相解明は不十分」との考えを示した。その上で、同基金会が今後も同様の作業を続け、年内に新たな報告書を提出すると説明した。1日付自由時報が報じた。

/date/2019/03/04/17tsai_2.jpg記念碑を前に真相究明を訴える蔡総統。会場の外では抗議活動も展開されるなど、事件はいまだに台湾社会を分断している(28日=中央社)

 台北市の二二八和平公園(中正区)で同日開かれた式典に出席した蔡総統は、「転型正義(移行期の正義)の追求は政党間の闘争の道具にすぎず、過去のことは持ち出すべきではないという意見も一部で聞かれるが、こうした考えには全く同意できない」と訴えた。「転型正義は傷を癒やし、同じ過ちを決して繰り返さないようにするためのもの」と強調した。

 一方、国民党の呉敦義主席は同日、「228事件は遺憾の念とつらい気持ちを人に抱かせ、分裂よりも団結、決裂より協力した方が良いということを教えている」との声明を発表し、事件を教訓に台湾社会の団結と中台間の平和的関係維持を訴えた。