ニュース 社会 作成日:2019年3月4日_記事番号:T00082253
台北市と台中市で先月、横断歩道を渡っていた歩行者がバスなど自動車にひかれて死亡する事故が3件相次いで発生したことを受けて、バスの構造的欠陥や運転手に「歩行者優先」の考え方が欠けている現状が指摘される一方、「横断歩道の設計不良」が事故の大きな要因となっているとの分析が出ている。
台湾の道路は長期にわたり「車中心」の、車の流れをできるだけ阻害しない考え方に基づいて設計されてきた。このため横断歩道の多くは、車両が効率よくカーブを曲がれるよう、交差点の曲がり角のすぐ近くに設置されている。
しかし中原大学景観系の趙家麟教授は、交差点を右折して横断歩道に入る車の運転手の視線は、カーブを曲がるに従って横へ移動するため、車のすぐ前を渡る歩行者が目に入らない状況が起きやすくなると指摘した。英国などでは、運転手がカーブを曲がり切った後に横断歩道を確認できるよう、横断歩道が曲がり角から一定程度、離れた場所に設置されており、交通事故の発生を減らすことに貢献しているそうだ。
横断歩道の設置場所を曲がり角から離すことについては、周辺の交通標識変更や信号の秒数調整が必要となるなど影響が大きいとの指摘も出ている。しかし、台北市の信義路などでは既に一部の横断歩道を曲がり角から離して設置しているが、車の流れを大きく阻害する事態は生じていないという。
また、横断歩道を曲がり角から離して設置することが難しい場合は、信号を調整して歩行者と進行する右折車を分離したり、歩行者用の信号を数秒早く「青」に変えるなど、時間差を設けて事故防止を図るべきとの提案もなされている。
林佳龍交通部長は1月の就任以降、「人間中心」で業務に当たるとの方針を示している。歩道の位置調整や信号の調整など巨額の経費が不要な措置は直ちに実行して、交通事故で命を落とす人を1人でも減らしてほしいものだ。
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