ニュース 機械 作成日:2019年3月6日_記事番号:T00082281
工作機械大手、東台精機(東台マシン&ツール)は5日、バイク最大手、光陽工業(KYMCO、キムコ)と共同開発した、バイク基幹部品のスマート生産ラインを発表した。同社は、全面自動化のみならず、柔軟な多品種少量生産が可能となり、自動車、航空宇宙、3C(コンピューター、通信、家電)業界にも応用できると商機に期待を寄せている。6日付経済日報などが報じた。
厳董事長。東台精機は創業50周年を記念した発表会で、バイク部品スマート生産ラインをお披露目した(5日=中央社)
工作機械の見本市、台北国際工具機展(台北インターナショナル・マシン・ツール・ショー、TIMTOS)で発表したバイク部品のスマート生産ラインは、東台精機が生産ラインの機体を担い、シーメンスが産業用ソフトウエアを担当、キムコがバイク製造のノウハウを提供し、高効率の混合品種組み立てラインを実現した。
東台精機は、バイク産業の生産ラインは人力から単品生産の自動化を経て、カスタマイズ生産が可能になると指摘した。従来は1種類の部品を作るのに3種類の生産ラインが必要だったが、1本の生産ラインで6種類の部品を生産することさえ可能になると説明した。これにより、1種類の部品の受注しかなくても、生産ライン切り替えのロスがなくなり、例えば納品まで3日かかったのが8時間に短縮できるようになるという。
キムコは既にテスト中で、10月に正式稼働を迎える予定だ。40本近い生産ラインを今後、毎年2本ずつスマート生産ラインに切り替える計画だ。
キムコの郭力源協理は、同社のバイクは290種類以上、1車種だけでも月に数千台生産しており、従来の混合品種組み立てラインでは生産ラインの切り替えに時間がかかり、生産効率が落ちていたと語った。
東台精機の厳瑞雄董事長は、バイク業界はパーソナライズ(個々人向けカスタマイズ)のニーズの高まりを受け、多品種少量生産が求められていると指摘した。
経済部工業局の呂正華局長は、東台精機とキムコのスマート生産ラインは、工業局が推進する「智慧機械領航計画(スマートマシンナビゲーター計画)」で支援しており、台湾バイク産業のマイルストーンになると評価した。
最先端ニッチ市場に照準
昨年は工作機械業界の好況で、東台精機の連結売上高は前年比15%増の116億3,400万台湾元(約420億円)で過去最高となった。同社は、主要顧客である中国の自動車市場は低迷しているものの、最近ベトナムやインドから受注が舞い込んでおり、今年はやや楽観視している。スマート生産ラインの他、金属加工の積層造形、航空宇宙業界向けCNC(コンピューター数値制御)旋盤など、最先端分野のニッチ市場を狙う。
台湾区工具機零組件工業同業公会(TMBA)理事長でもある厳董事長は、台湾の工作機械業界にとって中国、欧州、米国が三大輸出先で、うち最大市場の中国は、米中貿易戦争の影響で昨年受注が減速したと指摘。これが今年上半期の出荷に影響するものの、下半期からは景気が徐々に回復すると予測した。
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