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記事番号:T00082361
2019年3月11日15:54

 高雄市に2年後にも中国からジャイアントパンダがやって来る可能性が出てきた。高雄市政府は10日、中国側から同市の寿山動物園に寄贈の申し出があったと明らかにした。実現すれば年間数十億台湾元(1台湾元=約3.6円)の経済効果が期待できる。中国が来年の総統選挙も視野に、韓国瑜市長(国民党)の高雄市の取り込み狙う意図とみられる。11日付中国時報などが報じた。

/date/2019/03/11/00panda_2.jpg重慶動物園のジャイアントパンダ。高雄は熱帯気候のため、高い規格の専用設備が必要となる(10日=中央社)

 高雄市によると、中国・全国人民代表大会(全人代)の「台湾省代表」を務める許沛氏から、重慶動物園(重慶市)と寿山動物園(高雄市鼓山区)との交流促進のため、ジャイアントパンダの8歳のオス「雄雄」と7歳のメス「融融」のつがいを寄贈する提案があった。

 台湾にいるジャイアントパンダは、2008年に中国から寄贈された台北市立動物園の「団団」「円円」のつがいと、台湾で生まれた子ども「円仔」の3頭のみ。世界にわずか2,000頭余りしかいないジャイアントパンダの高雄市への受け入れが実現すれば、寿山動物園の年間入園者は100万人以上増加、10億元以上の入園料収入と、周辺の飲食・宿泊関連に50億元以上の商機をもたらすとみられている。

議会は受け入れ支持

 韓市長は10日、許代表の提案に謝意を示した一方で、受け入れは議会の判断を尊重すると控えめな発言にとどめた。高雄市議会の許崑源議長(国民党)は、パンダが来れば確実に観光産業が盛り上がる、100%支持すると歓迎の意を表明した。高雄市議会は昨年11月の選挙を経て国民党と友党が過半数を占めている。

 高雄市政府観光局の潘恒旭局長は、議会の同意を得た上で、パンダ専門チームを組織し、早ければ6月にも重慶市への視察を行うと説明した。一方、中国側は今月初めの訪問の機会を利用して、既に飼育環境の把握に努めたとされる。

 パンダ受け入れの実現は、専用施設などの準備のため、順調に進んだとしても最短でも2年後となる見通しだ。食事や医療などの専門チームも必要で、関連支出は年間2,000万~3,000万元とされ、3,000億元の負債を抱え、これ以上赤字を増やしたくない高雄市にとって、小さくない出費となる。

 台北市立動物園が「団団」と「円円」の寄贈を受けた際には、ジャイアントパンダ館の整備に3億元が投じられた。

統一工作への警戒感も

 パンダ寄贈提案に対し大陸委員会(陸委会)は、政治的前提が全くないのであれば前向きに見る上、必要があれば協力を行うと表明した。一方、民進党の幹部や立法委員からは、パンダが統一工作の道具として利用されることへの警戒感も出ている。

 なお、中国側が付けた名前「雄雄」と「融融」は、「高雄」と「融合」から1字をとったもので政治的思惑も感じさせる。受け入れた場合、台北市立動物園の前例のように、市民による公募を通じて命名を行う可能性もありそうだ。

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