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本を全く読まない、5人に2人


ニュース 社会 作成日:2019年3月13日_記事番号:T00082436

本を全く読まない、5人に2人

 大手紙、聯合報の世論調査センターが行った市民の読書に関するアンケート調査によると、「昨年1年間に書籍を全く読まなかった」との回答が約4割に上り、台湾ではほぼ5人に2人が本を読む習慣を持たないことが明らかとなった。

 調査は年末年始に12歳以上の市民を対象に実施され、1,556件の有効回答を得た。

 調査結果によると、紙版、電子版を含め「昨年1年間に全く書籍を読まなかった」との回答率は40.8%に上り、漫画や雑誌を含めた場合でも21%が「読まなかった」と答えた。

 「書籍を読まなかった」と答えた市民にその理由を質問したところ、40%が「時間がない」、21%が「読書が嫌い」と回答した。

 一方、昨年1年間に1冊でも本を読んだと回答した市民の1週間当たりの読書時間は、「1~3時間」が33%、「1時間未満」と「3~5時間」が各14%、「9時間以上」が12%を占めた。1年間に読んだ冊数では「1~5冊」が47%、「6~10冊」が21%、「20冊以上」が10%となった。

 また、書籍の購入状況についての質問では、「昨年1年間に紙版または電子版の書籍を購入した」との回答は35%にとどまった一方、「全く書籍を購入しなかった」との回答率は2倍近い65%に上った。

 なお、回答者全体の35.5%が「紙版の書籍しか読まない」と回答、「電子書籍しか読まない」は4.9%で、「両方とも読む」は18.8%を占めた。

 市民の多くが本を読んでいない状況について台湾読書協会の陳昭珍理事長は、中華圏において読書は科挙の時代から「試験や出世のためにするもの」という意識が強く、試験が終われば本を手に取る理由は失われると指摘。国家図書館の曽淑賢館長は「華人文化には純粋に読書を楽しむという要素が欠けている」との認識を示した。

 読書に関する研究を行っている台湾大学経済系の馮勃翰副教授は「従来は本で情報を調べたり、知識を学んだが、若い世代は映像を通じて調べたり、学んだりしている」と指摘している。今後も本離れはますます加速していきそうだ。