ニュース 電子 作成日:2019年3月18日_記事番号:T00082488
鴻海精密工業は17日、高雄市政府と、AI(人工知能)スマート工場建設と、高雄の農産物調達に関する提携覚書(MOU)を結んだ。さらに郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は、米中貿易戦争が続く中、センシティブな地域で大量のデータ処理を行うわけにいかず、多くの顧客も台湾でのデータ保管を望んでいると語り、高雄データセンターへの投資拡大に意欲を示した。18日付経済日報などが報じた。
郭董事長(左)は、韓高雄市長(右)と初めて対面し、高雄製造業の体質改善の力になると約束した(高雄市政府リリースより)
郭董事長は同日、高雄軟体園区(高雄ソフトウエアパーク)にある鴻海グローバルビッグデータセンターに韓国瑜高雄市長を案内し、現在の300人規模から2年以内に3,000人規模まで拡大すると表明した。
郭董事長は、米中貿易戦争がハイテク産業にとって分岐点となることは確実と指摘。AI、5G(第5世代移動通信システム)などの技術が発展する中、センシティブな地域で大量のデータ処理を行うわけにいかないのは、鴻海だけでなく顧客も同様と語った。
郭董事長はまた、米中貿易戦争の先行きは分からないが、企業には米中間の緩衝地帯(バッファーゾーン)が必要と指摘した。従来は香港がその役割を担っており、現在の日本、韓国、シンガポールなどにはできないが、台湾は地理的に適している上、中立的で、ハイテク技術の水準も十分と説明した。中でも高雄は、中国との距離が近く、データセンターのハブ(集積地)になり得ると語った。
郭董事長はハードウエア生産の台湾移転についても「イエス」と回答。天津市や広東省深圳市での生産を高雄に移すため、あすより候補地を探すと語り、無人化工場を建設する考えを示した。
スマート工場、5千坪以上
AIスマート工場計画について郭董事長は、具体的な投資額を明らかにしなかった。鴻海は18日より高雄市政府の案内で複数の候補地を視察する。サーバーやストレージの垂直統合工場で、5,000坪以上の用地を希望しているようだ。
高雄の農産物調達について郭董事長は、鴻海の中国工場の従業員や家族200万人以上を対象とする「永齢選物農業販売プラットフォーム」を設立し、初年度に1,000万トン以上の農産物や加工品を調達、出荷すると説明した。
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