台湾4大新聞の一つで、60年近い歴史を持つ中国時報は18日、近年の深刻な赤字により、従業員の約半数に当たる600人の人員削減を行うと発表した。また、総合紙から高級紙への路線変更、地方ニュースセンターの廃止、10枚への紙面枚数縮小も合わせて発表した。人員削減と路線変更計画は来月中旬までに決定し、8月末には削減の手続きを終えたい考えだ。18日付蘋果日報が報じた。
中国時報の林聖芬社長は、「近年はメディアの競争が激しく、広告量の激減を引き起こしている。今年に入って広告量は予想のわずか6割となっており、紙価の上昇も加わって赤字が深刻となっている」とリストラの理由を語った。
紙幅の縮小が購読者の権益を損なうのでは、との見方に対し林社長は、「今後検討する」とのみ答えた。
また、中国時報の周盛淵発行人は、従業員への公開文書で「解雇通知を受けた者は冷静に受け止めるよう希望する」と語り、自身も業績悪化の責任を取って辞職すると発表した。
リストラの発表に対し、中国時報工会(労働組合)の徐幹魁理事長は、「2001年の人員削減に続き、『中時晩報』を廃刊して従業員を4,000人から1,200人まで減らしたにもかかわらず赤字を出すということは、社の戦略と上層部の経営に問題があるということで、責任を従業員に押し付けるのは不公平だ」と批判し、リストラに抵抗する構えを見せている。